PR
インタビュー

永原真夏が新EP『ラヴレター』に書いたこと――正しさを求められる時代に〈間違ってもいい〉と伝えたい

Page 2 / 5 1ページ目から読む

もう時代とかどうでもいいな

――SEBASTIAN Xがデビューしてから、真夏さんがソロとして現在に至るまでの約10年間って、音楽シーンはもちろん、音楽の聴き方から業界の在り方に至るまで、とにかく激動しましたよね。真夏さん自身、そんな時代と並走してきた実感があるのでは?

「本当にその通りですね。この10年はまさに過度期で。SEBASTIAN Xは結成当初からいろんな方がまわりにいてくれたおかげで、音楽の業界でやっていく一連の流れを早い段階で学ばせてもらえたんです。言い方はよくないけど、まわりにお膳立てをしてもらったうえで自分たちの表現がやれてたし、ある意味ではそれが前提だった。それに、当時は今ほど個人で発信できるような土台もなかったし。あってもMyspaceとか?」

――Myspaceは革命的でしたよね。

「でしたよね。私が覚えているのは、SEBASTIAN Xで“光のたてがみ”(2011年)
というシングルを出すとき、みんなは配信に対して懐疑的だったなってこと。それがものの3~4年で、ガラッと変わった。そこで私はソロになった時点で〈どうせまた時代は変わっていく。そうなると、私はこのまま泳いではいけないな〉と思ったんです。作品の出し方しかり、なんのお膳立てがなくても作品を作れるようにならないと、私はだめだなって」

SEBASTIAN Xの2011年のシングル“光のたてがみ”
 

――もっとフレキシブルに動けないと、自分が今後も音楽活動を続けていくのは難しいだろうと。

「そう。ただ、今作に関しては〈もう時代とかどうでもいいな〉みたいな感覚もあるんです。自分はそれとは別のものを追求していきたいし、今回の『ラヴレター』がその一歩目の作品になるんじゃないかなって」

――では、今作を配信とアナログ盤の12インチでリリースすることにしたのは、どのような理由で? これもまた時代への意思表示なのかな、と思ったんですが。

「まず、配信は絶対にやる。それこそ私自身もサブスクを毎日使っていますし。12インチに関しては、ジャケットを担当してくれた画家の小磯竜也さんが最高に美しい絵を描いてくれたので、それをほぼ実寸大で伝えたい、というのがまずひとつありました。あと、今回からバンド・メンバーが新しくなって。ベースがレゲエ、ドラムがヒップホップのバンドをしている人なので、リズムが顕著に変わったんですよ。そうなると、このスタイルに合うのはレコードなんじゃないかなって」

『ラヴレター』のジャケット画像
 

――真夏さんが紡ぎたいグルーヴに変化があったということですか?

「軽やかさを表現したいなっていう気持ちはありました。ただ、けっこう言われたんです。メンバーが変わっても大差ないよって。でも、私はバンド・メンバーが変われば絶対に変わると思っていたし、その一方で無理矢理に自分の曲調や歌詞を変えたくはなかった。それでも絶対に今まで作ってきた音楽とは違うものになるはずだと確信を持って作りました」

『ラヴレター』収録曲“みなぎるよ”
タグ
関連アーティスト
TOWER DOORS