ナオト・インティライミ、春畑道哉とのコラボレーションから広がった新世界へ
「こういう宮本笑里もあります、というのを表現できたらと思って、今回のEPを制作しました」
初めてオリジナル楽曲のみで編成されたEP『Life』のことをまずそう語った。確かにアフリカの民族音楽風の歌から始まる“Delight”は、ビートをきかせたアップテンポな曲で、これまでの優しく、淡い音色のヴァオリンというイメージをいい意味で裏切る。
「ナオト・インティライミさんと共作した曲です。世界中を旅して、あらゆる音楽を吸収してきた彼と私は、見てきたもの、生きてきた世界が違う。交流を重ねるなかで、その違いに作曲の刺激をもらいたいと思い、〈音で遊んでみよう〉という発想から発展した曲です」
自由なセッションから“Delight”と“Bitter Love”の2曲が生まれた。後者は、郷愁を誘う愛らしい曲だ。ナオト・インティライミがプロデュースも手懸け、彼のアイディアでアフリカや東京の映像をスタジオに流しながら、イメージを膨らませつつ演奏したという。幼い頃から父である宮本文昭の「歌うように奏で、ストーリーを聴かせて見せてあげること」という教えを大切にしてきた彼女にとっても新鮮な経験だった。