カラーであるディスコ~ファンクを完全にモノにしたメジャーボーイたちが放つ最強にメジャーな一枚。音楽の持つパワーに巻き込まれる快感といったら……!

最強になりそうな予感

 〈友情・努力・音楽!〉をキャッチフレーズに掲げる5人組、CUBERS。歌って踊るのが(多くの場合の)デフォルトであるアイドル・シーンにおいて、わざわざ〈音楽〉を強調するのはもちろん、このグループがどれだけそこに重きを置いて活動しているのかというスタンスの表明であり、ある意味で自信の表れとも取れる。〈聴けるボーイズユニット〉とも標榜する彼らが満を持してリリースしたメジャーからのファースト・アルバム『MAJOR OF CUBERS』は、グループのカラーとなっているディスコやファンクを基調にしたポップスがズラリと並び、活動初期こそその音楽性に馴染んでいなかったメンバーたちが、ここではすっかり堂々たるパフォーマンスを披露してくれている。

 CUBERSは2019年5月につんく♂が作詞/作曲を手掛けたシングル“メジャーボーイ”(改めてあまりに直球で大胆で茶目っ気のあるタイトルだと思う)で華々しくメジャー・デビューを果たしたのち、着々とリリースやツアーを重ねた。昨年夏のツアーでは“Twilight”、秋のツアーでは“Beautiful world”と持ち曲が増えていくなかで、少しずつアルバムは形作られていった。

CUBERS 『MAJOR OF CUBERS』 キング(2020)

TAKA「アルバムが出来る前……どの曲が入るのかわからない状態でも〈最強の一枚になりそうだな〉と思えたのがすごいなと思います。ある意味、僕らもファンじゃないですけど、CUBERSの新曲を誰よりも楽しみにしていますし、期待を裏切らない曲もあれば、いい意味で期待を裏切る楽曲が来ることもあるので、どんなアルバムになるんだろうと僕ら自身が楽しみでした」

 その一方、メンバーが舞台やイメージ・モデルなどソロ活動も増えていくなかで、末吉9太郎が〈アイドルオタクのあるある動画〉でSNSからブレイク。動画はアップするたびに何千、何万と拡散され、いまやあちこちのメディアで引っ張りだこの存在に。メンバーはどう見ていたのだろうか。

TAKA「SNSでバズったと言っても、僕らから見るといつも通りなんですよ。もし自分がメンバーじゃなくて、外から見たらバズってるなって思うのかもしれないんですけど、肌感としてあまりわからないんですよね。僕がお芝居の仕事をするときに現場の役者の方がみんな知ってるとか、そこで僕が思っている以上に広まっているんだなって気付くというか」

綾介「僕たちにとっては、動画のなかの9太郎に何の違和感もないんです」

 環境の急激な変化に当の本人も戸惑う様子はなく、軽妙な冗談を交えながらも、CUBERSに還元されていくことを素直に喜んでいるようで。

9太郎「最近〈小学校が一緒だった○○です。俺のこと覚えてる?〉みたいな連絡が来るんですけど、全員一切覚えてないです(笑)」

TAKA「潔いな……」

9太郎「Twitterでは最初、僕がアイドルやってることを知らない人が多くて。〈一般の人?〉〈芸人さんなの?〉みたいな反応が多かったんですけど、最近は〈CUBERSの曲を好きで聴いてます〉という人が増えてきて嬉しいなと思うことが増えました。動画を観てライヴに来てくれて、握手会の列に並んでくれるのはめちゃめちゃ嬉しいです」

「特に地方に行ったときに大きくて。フリー・ライヴの動員も変わりました」

 音楽面での高まる評価や個人活動の拡がりで勢いに乗ってきたグループだが、この5月に決まっていた国際フォーラムホールCでの単独公演はコロナ禍で開催見合わせに。

9太郎「今年に入ってからの目標を国際フォーラムにしていたので、〈マジか! ああ~〉という気持ちでした」

TAKA「でも悲観してないですよ。自分たちや周りの方々を信じて、前向いてちゃんとやっていればいずれは立てると思っているので」

綾介「自宅待機の期間も、ずっとヒマというわけでもなくて、毎日インスタライヴをしたりもしましたし、やることはたくさんあったので、このアルバムに向けて動いていくだけでした」