LIVE WHILE WE'RE YOUNG
[ 緊急ワイド ]盤上のボーイズ・ライフ
さまざまなスタイルと背景が入り交じり、大きな全体像を形成しはじめた(?)男性グループ・アイドルたち。それぞれの個性を聴いて楽しもう!!

 


 

XOX
 

 ここ数年の大きな流行もあって日本で〈アイドル〉といえば女性グループを連想する人がほとんどでしょう。とはいえ欧米や韓国のポップ・フィールドを見てもわかるように、そこに性別の差はありません。日本にも伝統的な流れとして男性のアイドル・グループが数多く存在しているのはご存知の通りです。それらをどう形容するかはともかく、2000年代にデビューしたw-inds.やLeadらは成長して現在も着実に活動していますし、いわゆるアイドル出自と見られることはないとしても、AAAやGENERATIONSのようなダンス&ヴォーカル・グループは、ある種の男性アイドルとしても機能してきたように思います。ただ、これまでは(なぜか)その多様性が限定して伝えられていたこともあり、女性アイドル界隈のようなカラフルな群雄割拠が広く知られるには至っていませんでした。

Da-iCE
 

 そんな状況が目に見えて変わりはじめたのは昨年頃から。メジャー経由でも多くのグループが結成/全国デビューを果たすようになり、それぞれが独自性を模索しながら各々のカッコ良さやおもしろみを発揮しはじめたのです。繰り返しますが……それをどう形容するかはともかく、歌とダンスとキャラの魅力を武器にした男たちはここからさらに増えていくはず。いまのうちにチェックしておきましょう!

 

XOX Ex SUMMER ソニー(2016)

読モのとまん、バトシン、志村禎雄と、オーディションで選ばれた田中理来、木津つばさが集まって昨年始動した5人組。この2枚目のシングルでもドリュー・ライアン・スコットらの楽曲を採用し、欧米メインストリーム志向の強いEDMタッチの伸びやかなサウンドを披露しています。11月には次のシングルも登場!

 

BOYS AND MEN YAMATO☆Dancing ユニバーサル(2016)

「仮面ライダー鎧武」出身の小林豊など全国区の顔も含む、名古屋で活動するエンターテイメント集団。今年に入って一気に広がってきた感はありますが、人懐っこさの中に骨太な男っぽさも織り交ぜた親しみやすいキャラはすでに浸透済み。ウルフルズっぽさのあるこの最新シングルも豪快な持ち味を伝えてくれます!

 

MAG!C☆PRINCE Over The Rainbow ユニバーサル(2016)

東海3県を対象とするオーディションで選ばれ、昨年始動したイケメンボーイズで、往年の〈王子様〉的なタレント性の高さも魅力とする5人組。10月に到着するこのサード・シングルは超特急とも仕事をしてきた渡辺拓也の手によるアッパー・チューンで、各々の元気な歌声もあって仕上がりは底抜けに明るくキャッチー。

 

Da-iCE パラダイブ ユニバーサル(2016)

2011年の結成から奮闘を続け、すでにヒット規模も一段上を行く彼らは現在に至るテン年代ボーイズのブームを作り出してきた存在でしょう。エリック・リボムも作曲に関与したこのタオル振り回し夏ソングなど、多彩な曲調を説得力十分に聴かせる歌唱力の高さもピカイチ。11月には冬向けのシングルも控えてます!

 

X4 4 MY BABY テイチク(2016)

もともとソロ歌手/俳優として活躍していたYUYA(松下優也)が昨年結成したダンス&ヴォーカル・グループです。アーバン色の強さは以前からの志向通りで、この最新ミニ・アルバムでは90年代R&B好きにはたまらない佳曲“Little Longer”などを収録。YUYAはなんと朝ドラ「べっぴんさん」出演も決定して絶好調のよう。

 

MAGiC BOYZ Do The D-D-T!! SDR(2016)

一組だけボーイズというかキッズですが……曲がおもしろいので紹介。スターダストの〈EBiDAN39&KiDS〉から選ばれたラップ・ユニットで、抹 aka ナンブヒトシが作詞した表題曲はmel houseの手掛けるダンスホール風味の極太ベース・チューン。カップリングにはDOTAMAやSKY-HIが絡んでたり、今後にも期待です!

 

CUBERS
〈聴けるボーイズユニット〉を謳う、ウワサの5人に迫ってみた!!

 ポップスに定型はない。ただ、何の前情報も関係なく幅広い耳をキャッチしうるのが優れたポップスだとするなら、彼らの提示する音楽はその条件をもう満たしている。このたびファースト・アルバム『PLAY LIST』を世に出したCUBERS。〈聴けるボーイズユニット〉をキャッチフレーズとする彼らは、ここ数年でさらに賑わしさを増す男性グループのシーンに、楽曲そのものの魅力で挑む5人組だ。入口も歩んできた道程も多様なメンバーたちがオーディションをきっかけに集まり、正式に活動をスタートしたのは2015年の7月。その3か月前から仮称で動きはじめてはいたものの、お披露目からのキャリアはまだ1年を過ぎたばかりである。

TAKA 93年11月14日生 愛媛出身 モデル活動も並行
 

 「この1年は過ぎるのがとても早くて、何ならいままで生きてきた中でいちばん早く感じたかもしれません。当初はついていくのに精一杯な部分が多かったのですが、いまはどうすれば良いグループになれるか、楽しいライヴをお届けすることができるかメンバー間で話し合いをすることも多く、日々精進してます」(TAKA)。

 もともと〈弟にしたいボーイズユニット〉を謳って登場した彼らは、デビュー・シングル“SHY”を発表した昨年10月に初のワンマンを行い、女子大などを巡る学園祭ツアーも敢行。今年に入ってからは2月に“Bi'Bi'Bi'”、7月に“STAND BY YOU”とコンスタントにシングルを重ね、原宿で毎週行う定期ライヴで早耳な女子たちに着実にアプローチしてきていた。そんななかで今回のアルバムから〈聴けるボーイズユニット〉への転換となったわけだが、音作りへの高い意識は最初の“SHY”から変わっていないし、ルックスに頼らない匿名的なアートワークを見ても、デビュー時から楽曲で押していく意識は強かったのに違いない。当人たちの考えるCUBERSの持ち味、魅力も当然そこにある。

綾介 93年8月26日生 佐賀出身 ダンサーとして活動
 

 「CUBERSの特徴は楽曲性の高さですね。ミディアム・ファンクを軸とした曲が多くて、自分らのスタイルというか音像みたいなものを確立させようとしているところです。メンバー全員ボイトレを必死に取り組んでいるし、曲に対する思い入れも大きいと思います」(綾介)。

春斗 91年3月5日生 東京出身 料理の腕前は確か
 

 「CUBERSはとにかく楽曲に力を注いでいて、80~90年代を連想させる曲調があったり、現代の風景やツールが歌詞に表現されていたり、老若男女に楽しんでいただける曲が多いと思います。また、ステージのMCなんかはほぼほぼ素で喋ったりしていて、型にはまってないフワフワ感やメンバー同士の仲の良さも応援してくださるポイントなのかな、と思っています」(春斗)。

末吉9太郎 93年7月28日生 千葉出身 音大出身で自撮り好き
 

 「親しみやすいグループ!! 曲はもちろん、MCも楽しくふざけているのでライヴは幅広い年代の方に気軽に楽しんでもらえると思います。あとはグループに1人ズバ抜けて可愛い子がいるってところですかね。9太郎くん。僕ですね」(末吉9太郎)。

CUBERS PLAY LIST Bermuda(2016)

 彼らが胸を張る楽曲のクォリティーは、例えばディスコ~ファンクの意匠を晴れやかに纏ったリード曲“Samenaide”だけでも十分に伝わるはず。ひたむきで瑞々しい歌声と軽快なホーンをあしらったグルーヴの織り成す爽やかなムードは、5人の本質的な志向と『PLAY LIST』そのものの魅力を象徴するものだろう。

優 97年1月6日生 東京出身 天然キャラの最年少
 

 「“Samenaide”はCUBERS史上いちばんレコーディングに時間がかかった曲で……いまの自分たちが出せる力をすべて出しきった曲になりました。ブラスやベースの音など、歌だけでなく編曲にこだわって作られているのも聴きどころです」(優)。

 幕開けを飾る“Samenaide”から、ラップも披露するシティー・グルーヴの“New days”、そして鍵盤のソロも煽る“STAND BY YOU”へと至るアルバム序盤の素晴らしいヤング・ソウルな流れは、フュージョンの大物たちが演奏に参加していた90年代のSMAPらの伝統的な系譜を思い出させるもの。その間口の広いサウンドはもちろん、ここ数年の世界的なディスコ~ファンク・リヴァイヴァルから繋がるものであり、その潮流にAOR~シティー・ポップ経由で隣接した日本のバンド界隈のトレンドにリンクするものでもあるだろう。

 以降も“Mr. COOL!!”や“Stage”などプレイリストに一本の太い流れを作るのは同系統のミディアム・ファンク。そんなトレンドも自然に咀嚼したグルーヴィーな流れがあるからこそ、要所に置かれたスロウも効果を発揮している。アコースティックなラヴソング“Forever”は優しい歌声が飾らない素顔を窺わせるし、ラストを飾る“26.5”は、「夢を追いかけている人の気持ちがストレートに表現されていて、つい歌う時も〈そうだよな、そうだよな~〉と思いながら物凄く感情を入れてしまいます」(春斗)という言葉通りの繊細な決意表明にグッとくる。

 「デモを聴いた瞬間、自然と涙が出るくらいメロに切なさや思いを感じ、歌詞も自分たちの等身大で、聴いてくださる皆さんにも当てはまるんじゃないかと思います」(綾介)。

 間口が広く、音楽的にも聴きどころが満載された充実の『PLAY LIST』。もちろん、まだまだ未完成な5人だからこそ、その成長や進化を見届けていく楽しさも用意されているのは言うまでもない。

 「〈聴けるボーイズユニット〉というコンセプトは、自分たちへのプレッシャーという意味も込めているんです。まずはアルバム曲のパフォーマンスの完成度をさらにブラッシュアップさせて、ただ歌って踊るだけではなく、ライヴのたびに違う味を出せたらなと思います」(春斗)。

 「〈聴けるボーイズユニット〉と謳っていながら、メンバー自身まだまだ至らない点も多いので、ここから成長していくという意味も含めて、末長く見守って応援してくださると嬉しいです」(綾介)。

 「まあ、9太郎が可愛いんだなってことだけ覚えてもらっていたら大丈夫です!」(9太郎)。

 

 

CUBERSお気に入りのサウンドとは?

 それぞれ異なるバックグラウンドを持ち、歌やダンス経験の度合いも異なるCUBERSのメンバーたち。ここではプライヴェートで好きな音楽の趣味を探ってみましょう。まず、TAKAは「昭和歌謡が特に好きで、中森明菜さんや沢田研二さん、河島英五さんなんかを聴いてます。あとは……安全地帯さんだったり、オリジナル・ラブさんもよく聴きます」とスポーツマンらしい骨太な嗜好のよう。優が氷室京介や黒夢の名を挙げるように、親世代もド真ん中な音に普通に親しんできたのですね。その点は春斗の「もともと歌うことは好きで、尾崎豊さんの感情を込めた曲、バラード系がすごく好きでした」というのも共通しますが、「クセのある歌が耳に残ったり、ギターの音も歌に合ってて心地良いです」と最近ではI Don't Like Mondays.をよく聴いているというイケメンぶり。音楽的にもCUBERSと遠からず、という印象かもしれません。

I Don't Like Mondays.の2016年作『FASHION』収録“CRAZY”
 

 一方、ダンサーらしく「音楽に関してはわりと詳しいほうで、ファンクやR&Bなど世間で俗に言うブラック・ミュージック、エレクトロもよく聴いていました」という綾介は、特に好きなアーティストとしてダフト・パンク、ザップ、ボビー・ブラウン、ブルーノ・マーズの名を挙げてくれました。同じく末吉9太郎は、音大の課題でマーヴィン・ゲイやスティーヴィー・ワンダーの曲を歌うなどソウル系の楽曲には親しみがあった一方、「ずっと好きなのはハロー!プロジェクトとaikoさんです。ハロプロさんはどのグループも好きで聴いていますし、つんく♂さんの作る曲が大好きなんだと思います」とのこと。そんなバランスもCUBERSサウンドの秘密なのかもしれませんね。

aikoの2005年作『夢の中のまっすぐな道』収録曲“Smooch!”