飛ばねぇアイドルは、ただのアイドルだ。——またも立ち上がったプー・ルイがこんな時代に生み落とした新しいグループ。駆け抜ける5人の明日はどっちだ?
東京を含む7都府県に緊急事態宣言が発令された4月7日、新グループの始動を告げると同時にメンバーとの共同生活を始めたプー・ルイ。BiS~BILLIE IDLE®を経て今年1月に株式会社プープーランドを設立した彼女がプロデューサーも兼任するその新グループこそ、CHIYO-P、UMI、SHELLME、BAN-BANを加えたPIGGS(ピグス)です。4月19日よりYouTubeで動画投稿を開始した5人は、同居しながら100の課題をクリアする企画〈I HATE PIGGS〉を毎日生配信し、ライヴ活動が行えない現状を逆手に取る形で奮闘中。このたびデビュー・アルバム『HALLO PIGGS』を完成した彼女たちに、5人での初インタヴューを行いました。
それぞれの理由
――2月頭に全員面接のオーディションがあって、まず2名が合格されたわけですね。
プー・ルイ「そうですね。オーディションの審査は私と、デザイン周りをやってくれてるMETTYと、サウンド・プロデューサーのRyan.Bと、配信を撮ってくれてる放送作家の石原さんで主にやって。まずUMIちゃんは男性陣の人気がダントツでNo.1だったので合格になりました」
UMI「ありがたいことに、はい」
プー「〈可愛いし、たぶん性格が悪いから、入れといたらプー・ルイと揉めておもしろくなりそうだ〉って。私も最初の面接から可愛いと思ってたんですけど、いちばんは男ウケの良さですね(笑)」
――UMIさんはアイドル経験もあって。
UMI「はい。もともと乃木坂さんとか欅坂さんみたいなアイドルが大好きで、もちろんWACKさんも好きだし、そういう人たちに憧れて地下アイドルをやってました。でも、現実は思い描いたようにいかなくて、その後に就職してたんですよ。その試用期間が終わるタイミングでプーちゃんのオーディションを知って、正社員になるかアイドルをめざすかっていう選択で、賭けっていうか〈これが最後のチャンスだ〉って挑んで」
――就職もされたのに、それでもここに賭けたのはなぜですか?
UMI「やっぱり心残りがあったし、中途半端に経験があったからこそ、しっかりした会社なら大丈夫かなと思って」
プー「全然しっかりした会社じゃねえ(笑)」
――まあ、身元は確かというか。
UMI「そうなんです。WACKの渡辺(淳之介)さんという名の知られてる方から生まれて……BiSから出てきてずっと活動している人だから、安心みたいなものがあって」
――WACKは受けなかったんですか?
UMI「あ、受けました(笑)。受けたんですけど、プーちゃんのほうが結果が早かったし、ここなら前にできなかったことを果たせるかもしれないって思って」
プー「WACK落ちたからだろ(笑)」
UMI「いや、同時だったから。ホントに!」
プー「まあ、けっこういましたね。WACKのオーディションと同時期だったんで」
BAN-BAN「私も応募してました」
――そういうもんですよね。では、CHIYO-Pさんは?
CHIYO-P「私はエビ中(私立恵比寿中学)がずっと好きで、WACKも知ってたし、いろんなアイドルをちょこちょこ観てました。最初は衣裳を作ったりアイドルを支える仕事がしたくて、服飾の大学に入ったんですけど、人間関係が苦手で不登校みたいになって。そこで本当に自分のやりたかったことを考えた時に、裏方じゃなくて演者になりたいんだって気付いて、オーディションを探しては、自信がなくて〈どうせ落ちるからいいや〉〈やっぱりやめよう〉って繰り返してました」
――それでも今回は行動できたんですね。
CHIYO「やっぱり親にも心配されてたし、やりたいことがわかったのに動けない自分も嫌だし、〈どうにか自分を変えよう〉と思って、Twitterでたまたま流れてきたプーちゃんのオーディションに行き着きました」
プー「履歴書に薄い字で〈アイドルになりたい〉ってだけ書いてあった(笑)」
CHIYO「ずっと悩んでて、当日の朝に〈ダメだ、受けよう〉って気合いを入れて、急いで写真撮って面接に行ったから、文章がちょろっとだけになっちゃった(笑)」
プー「面接で歌も失敗したしね。極度な人見知りなんですけど、2次面接でちゃんと喋ったら挙動不審でいちばんおもしろかった。歌もメチャメチャ上手くて、みんなビックリして。おもしろいし、この〈何か気になる〉感じがいいなと思いました」
――最初はもう1名が合格した4人組だったんですよね。
プー「センターがあるのが嫌なので、最初から4人組で決めてました。ただ、もう1人は話し合った結果、うまく噛み合わず一緒にはできなくなっちゃって」
――3月に追加募集されましたが、世間はもうコロナの影響が出てきてる時期でした。
プー「私のソロ・ライブも中止になって〈これはヤバイんじゃないか?〉みたいな状況だし、2回目なのもあって倍率は低かったですね。2月は1日で250人面接したんですけど、3月のは2日間で150人だったんで」