白状する。しっぽりと過ごしたい夜は彼の音楽が手放せなくなっている。無名ながらも楽曲の力のみで1千万回以上のストリーミング再生回数を叩き出し、USとカナダではゴールド認定も受けた“Easily”収録の『A Song For Every Moon』で注目を集めてから数年……待ち焦がれていたニュー・アルバムがついに出た。サム・スミスを彷彿とさせる甘い歌声、ジャズの影響を色濃く感じるアレンジ、すぐ傍で演奏してくれているかのような音の鳴りと録音、すべてがメロウで泣きたくなるほど優しい。トム・ミッシュが比較に挙げられがちだが、普遍的な歌という点においては彼よりもメロディアスで、シンプルがいちばんだという説得力がある。今作に限っていえば、とあるゲームの効果音を曲中で使っているところもニクい!