全世界を揺るがした“Harlem Shake”以降、トップ・プロデューサーとしてジェイ・Z、プシャT、ダニー・ブラウンらとの共演を果たしてきたバウアーの4年ぶりとなる2作目。前作同様のヴァラエティーに富んだ展開で広がるビート絵巻は、トラップ~フューチャー・ベース界隈のシーンを出自としながらも、ケミカル・ブラザーズやファットボーイ・スリムといった往年のビッグ・ビートを現代にアップデートさせたかのよう。とはいえ、ビートの一音一音が確かな衝撃をもって突き刺さる先行シングル“PLANET’S MAD”をはじめ、ビッグ・ビートが持っていた底抜けにアッパーなヴァイブスというよりは、シリアスなムードを纏っている点が大きく違い、そのあたりが〈2020年代的〉なんでしょう。