ポスト・クラシカルを代表するヴィブラフォン奏者の5作目。ベルリンから日本の田舎への移住が制作モードを変えたようで、壮麗な旋律や打ち込みを使うことなく、少ない音数でカームな世界を作り出している。止まっているように見えつつ、そのなかで無限の微細な動きが起きているという、自然の如き音楽。ムーア・マザー、ハチスノイトの声はさしずめ命の鼓動だ。