2月の『イミなんてない』から7か月で届いた今年2枚目のアルバムは、ツアー中止などを余儀なくされる状況下で4か月かけて制作されたという力作だ。馴染みのCHIVAとRYUUKI BEATZに今回もサウンドの軸を委ね、エロ神の奔放な日常をプレゼンする姿勢は変わらず。アルバム・タイトルの由来となる“Mr.フルパン”やストロング・スタイルの“I Wanna Rock”を交えつつ、ダンスホールやラテン、トラップのノリでメロディアスに押してくる期待通りの饒舌さが楽しい。一方で“雨が止んだら”や“僕のママ”と温かい眼差しの曲が目立つのも現在の気分の率直な表れのはずで、〈生きてさえいてくれたら何も要らない〉という言葉がそれぞれの解釈で刺さりそうなラストの“Reyy”はその極み。往時の姿も連想させる傑作だろう。
t-Ace『令和のプレイボーイ』ラテンやトラップのノリで〈エロ神〉の奔放な日常をプレゼン
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