今年日本でも劇場公開され話題となった、故岡本太郎に「ひたむきなベラボウさ」と評された現代美術家、篠原有司男(ボクサー)と妻・乃り子(キューティー)の40年間にわたるニューヨークでの生活を描いたドキュメンタリー映画がBlue-ray&DVD化された。篠原の芸術は、イメージに対するひたむきな力が作用して作品を発生させる。絵具はたらすものではなく、叩き付けるものなのだし、愛は「育むもの」ではなく、「してしまうもの」なのだし、生活は「するもの」ではなく、「しなければならないもの」なのだ。そして作品はきっと「あるはずのもの」なのだ、彼らにとって。ということが伝わるベラボウな映画、なのだ。