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つしまみれ、行ける! メジャー・デビューと自主レーベル設立

4. タイムラグ
『あっ、海だ。』(2009年作)収録

――これはメジャーからのファースト・シングルですね。

まり「メジャー・デビューできるぞ!って、また合宿したんですよ。今度は山中湖。その時に(レコード会社の人から)『元気のいいロックなやつがいい』と言われてた気がするな。ちょうど海外ツアーしたあとで、その時差からぐらぐらしてて、〈タイムラグぐらぐら〉っていいなーって、適当にやってたら出来た気がする。当時(所属していた)ビクターに高垣さんっていうサザンを売り出したというキャリアの方がいらっしゃったんですけど、その方が『つしまみれ、いけるー!』『タイムラグいいね』と言ってくれて、じゃあこれシングルにしようって仕上がりました」

やよい「この頃になると(つしまみれの)コピー・バンドみたいのが巷に出てきて。コピーしてくれている方々に向けて、せっかくのシングルだからコピーしやすくしようってクリックしか入ってないトラックもCDに収録しました。あと御丁寧に私たちがやっていることをがんばって楽譜にした〈譜面〉を、シングルには付けたんです」

まり「これ久しぶりに読んでみるけどやばいです。〈顔で弾こう〉〈もはや音程などない〉とか書いてある(笑)」

やよい「アドバイス入り(笑)」

 

5. 献血ソング
『GIVING BLOOD』(2011年)収録

――2011年にメジャーから離れバンドが運営するレーベル、Mojor Recordsを立ち上げての第一弾シングル。これも実は極初期の曲で、2002年の3曲入りセカンド自主制作CDR作品の『流血モヒカン』で早くも発表していた名曲ですね。

まり「そうなんです。これは完全にBLANKEY JET CITYの“悪いひとたち”(92年)みたいな曲がやりたくて、作りました。これをライブでやるときは、その前に献血に行かなくてはいけないっていう暗黙のルールが当時はあって……」

やよい「そのたびに行くんですけど、たぶん2回しか献血できたことがない……だいたい血液の比重が足りなくて(笑)」

まり「バンドマンは不健康ですからね(笑)。歌詞では(まりとやよいの出身校である)千葉大の学食の前に来る献血カーのことを歌いました。ライブでやると感動して泣いてくれる人と、気持ち悪くなって退室する人が出る曲です。最初はブランキーが好きというきっかけがあったんですけど、だんだん〈これってあたしたちじゃないとできない曲だな〉って思えるようになりました」