BiSHの活動と並行してMONDO GROSSOやSUGIZO、ジェニーハイらの楽曲に招かれるなど、多方面から個性的なハスキー・ヴォイスを愛されてきた才能がついにソロ・アルバムを完成。彼女自身がすべての詞曲を書き、関口シンゴ編曲の“死にたい夜にかぎって”を除く全曲で亀田誠治がプロデュース/アレンジを担当。緩急あるグランジーなバンド・サウンドでエキセントリックな世界観を展開する“虹”やパンチのある“NaNa”の派手さもいいが、柔らかな情緒を湛えた“金木犀”や“粧し込んだ日にかぎって”“日々”などから滲む素朴でメロウな自然体の歌い口が、主役の繊細な死生観や官能美を何より魅力的に伝える。BiSH以前から自作曲を歌ってきたキャリアの重みも包括して、静かな凄味を備えた圧倒的な一枚。