King Gnuの常田大希を中心に、MELRAWや江﨑文武といった音楽家のほか映像ディレクターなど多様なクリエイターが参画するプロジェクトの初アルバム。ラップ/R&Bの骨格にエレクトロニック/ラウドなバンド・サウンド、クラシック〜ジャズのアンサンブルまでをミックスした楽曲はひたすらにカオティックでアグレッシヴ。濃密な情報を詰め込んだ全14曲を通して一つのコンセプチュアルな物語を描いている。デビュー以来、ポップソングの範疇を超えるようなクリエイションを多角的に提示し続けてきた彼らだが、一方で、個々の楽曲がモダンでユニヴァーサルな感覚に裏打ちされたポップソングとして享受できるのもまた確か。本作も、“Bon Dance”などのチャーミングでどこか未来的な響きに耳を奪われる。