私たちの日常の風景をすっかり変えてしまった、コロナ禍。それはまた、私たちの音楽の聴き方にも少なからず影響を及ぼしたと思います。以前好きだった音楽を受け付けなくなったり、あるいはそれまでスルーしていたような音楽に突如として心を奪われたり……。

そこでMikikiでは、ミュージシャンやレーベル関係者、レコード・ショップ関係者、ライブハウス関係者など音楽に関わって仕事をする人々に〈コロナ禍以降、愛聴している1曲〉を訊ねる新連載をスタート。その回答は一人ひとりのいまの心情を映し出すと同時に、災いに見舞われた人々に対して音楽がどのような意味を持つのか、そのヒントにもなるのではないでしょうか。 *Mikiki編集部

【アーティストと音楽関係者が選ぶ〈コロナ時代の1曲〉】記事一覧はこちら


 

(左から2番目)平田真也

平田真也(Organic Call)

Organic Callは2017年に始動した東京のロック・バンド。平田真也はヴォーカル/ギターおよび、全ての曲の作詞作曲を担当している他、アートワークなどの監修も行っている。バンドは、「ロッキング・オン」が主催するオーディション〈RO JACK〉やMASH A&R主催のオーディション〈MASHHUNT〉のピックアップ・アーティストに2度選ばれている。2021年4月14日リリースの初となる全国流通盤ミニ・アルバム『箒星、残像を探して』は4月度の〈タワレコメン〉に選出されていており、多方面から注目されている。

 

コロナ禍以降、特に愛聴している1曲は何ですか?

SILENT KILLA JOINT & SULLEN “Get wet wiz love”(2020年作『2020』収録)

最近はバンドをあまり聴いていなく、HIPHOPのアーティストをよく聴いている。自粛期間中にリリースされたこのEPは、一曲目で〈緊急事態宣言を発出致します〉がサンプリングされており、遊び心もある。〈この世のせいにしないで/全ては何かの巡り合わせで〉というリリックは今の時代をネガティヴだけに捉えない、素晴らしい言葉だと思った。

日本語は美しく儚く尊い。音と言葉が交差して交わったときに作品ができる。この期間に改めて音楽の偉大さに気づかされた。

 


RELEASE INFORMATION

Organic Call 『箒星、残像を探して』 Organic Call(2021)

リリース日:2021年4月14日

TRACKLIST
1. 明けない夜はない
2. シリウスに誓う
3. 朝焼けに染まった街へ
4. かなわない
5. 瞬き
6. 夢想家のワルツ
7. 彗星のよう