私たちの日常の風景をすっかり変えてしまった、コロナ禍。それはまた、私たちの音楽の聴き方にも少なからず影響を及ぼしたと思います。以前好きだった音楽を受け付けなくなったり、あるいはそれまでスルーしていたような音楽に突如として心を奪われたり……。
そこでMikikiでは、ミュージシャンやレーベル関係者、レコード・ショップ関係者、ライブハウス関係者など音楽に関わって仕事をする人々に〈コロナ禍以降、愛聴している1曲〉を訊ねる新連載をスタート。その回答は一人ひとりのいまの心情を映し出すと同時に、災いに見舞われた人々に対して音楽がどのような意味を持つのか、そのヒントにもなるのではないでしょうか。 *Mikiki編集部
★連載〈アーティストと音楽関係者が選ぶ「コロナ時代の1曲」〉の記事一覧はこちら
THE GOON SAX
コロナ禍以降、特に愛聴している1曲は何ですか?
Riley Jonesが選ぶ1曲
The Rolling Stones “No Expectations”(68年作『Beggars Banquet』収録曲)
私はローリング・ストーンズの“No Expectations”をずっと聴いていた。サイキックTVの“Godstar”(85年)って曲にハマってた時に、歌詞の中にローリング・ストーンズのブライアン・ジョーンズが出てくるから、それでブライアン・ジョーンズについて調べてみたんだよね。そしたら“No Expectations”が彼が最後に演奏したギター・テイクだということがわかって、そのギターが本当に美しくてたくさん聴くようになった。あと、パンデミックで何も期待できない状況もタイトルにピッタリだった。〈希望がない〉ってタイトルなのに、作品自体はすごく美しいっていうギャップに魅了された。
Louis Forsterが選ぶ1曲
Eartheater “Concealer”(2020年)
俺はアースイーターの“Concealer”。あの曲は、俺にとってパンデミック中の目覚ましソングだったんだ。去年、けっこう落ち込んでる時期があったんだけど、その期間はベッドから起き上がるのがなかなか難しくて。でも、あの曲が俺にエネルギーをくれた。ヘッドホンをつけてあの曲を聴きながら歩きはじめると、着替えてコーヒーを買いに家の外へ出ることができた。あのリズムのおかげなのかはわからないけど、脈が動き始める感じがしてさ。あの時期の俺を助けてくれたのがあの曲なんだ。
James Harrisonが選ぶ1曲
Jenny Hval “Conceptual Romance”(2016年作『Blood Bitch』収録曲)
僕はジェニー・ヴァルの“Conceptual Romance”。この曲はパンデミックの前にツアーのときにバンのなかで3人でたくさん聴いた作品で、みんながハマった曲なんだ。去年はあの曲を聴きながら歩いて、丘の上で風を感じながら〈人生って何なんだろう?〉なんて考えてた。あの曲は、色々なことを考えさせられる曲なんだ。
RELEASE INFORMATION
リリース日:2021年7月9日
配信リンク:https://thegoonsax.ffm.to/mirrorii
■国内盤CD
品番:OLE1623CDJP
価格:2,420円(税込)
ボーナス・トラック追加収録/解説書・歌詞対訳封入
■輸入盤CD
品番:OLE1623CD
価格:2,490円(税込)
■輸入盤LP
品番:OLE1623LP
価格:2,790円(税込)
■限定盤LP(ホワイト・ヴァイナル)
品番:OLE1623LPE
価格:2,790円 (税込)
TRACKLISTING
1. In The Stone
2. Psychic
3. Tag
4. Temples
5. The Chance
6. Bathwater
7. Desire
8. Carpetry
9. Til Dawn
10. Caterpillars
11. We’re Just Talking *Bonus Track for Japan