戻らない過去を見上げながら、それでも4人は希望を願って未来へ手を伸ばす。ストレートに愛を歌い上げた圧倒的なニュー・シングルでBiSの真髄に触れろ!
2月のEP『KiLLiNG IDOLS』以降は、ギターにヒダカトオル(THE STARBEMS)、ベースに津田紀昭(KEMURI/THE REDEM PTION)、ドラムスにRONZI(BRAHMAN/OAU)という猛者たちを迎えたBiS with ARABAKI 20th CENTURY STUPiD BOYS名義にて初のロック・フェス〈ARABAKI ROCK FEST.20th×21〉出演と東北ツアー〈ARABAKI×BiS GiP! -GREAT iDOL PURiTANS-〉開催も決まっていたものの直前で中止――そんなもどかしい状況下でも変化と成長を求められてきたBiSが、久々のシングル『TOUCH ME/LOVE』を完成しました。“TOUCH ME”は旧BiSの名曲“primal.”風のMVも公開済みですが、先述のヒダカや津田ら旧BiS縁の人選も含め、現在のBiSは過去のストーリーを乗り越えるための転機に立っているのかもしれません。ひたむきに前へ進む4人に最近の心境を訊きました。
音楽をできる喜び
――前作リリース後の出来事だと、まずチャントモンキーさんのWACK合同オーディション合宿参加がありました。
トギー「BiSがいつも渡辺(淳之介:BiSマネージャー)さんに言われてるようなことがそのままオーディションでは求められているぶん、モンちゃんは求められるものが凄く高いと思って見守ってました」
ネオ・トゥリーズ「正直、行く前から〈モンちゃんは大丈夫、絶対イケる〉って私は思ってた(笑)。そしたらそれ以上のものを見せてくれて、このモンちゃんがBiSにいるのが頼もしいし、自分も見習ってもっとがんばらなきゃいけないなって感化されて」
チャントモンキー「こう言いますけど、4人でBiSに向き合ってきたからこそ候補生の子たちに教えられることがあったと思うし、私が3人に気付かされたことを出せた合宿だったと思います。1人じゃ気付けなかったことも多いし、私は逆に3人のほうが裏で努力してると思ってて……」
イトー・ムセンシティ部「やめな、やめな」
トギー「みんな自己評価が低いから(笑)」
ティ部「いや、自分の良さは認めてほしい(笑)」
モン「ありがとう。合宿中はメンバーの愛が嬉しかったです。ずっとLINEくれたりして」
トギー「心折れずにがんばってほしいなって。良かった」
――良かったです。で、その後に控えていた〈ARABAKI〉と東北ツアーは中止になりましたが、これは初のバンド編成でやる予定だったんですね。
ティ部「はい、〈このメンバーでやる予定でした〉っていうドキュメンタリー動画も公開して」
――動画にはリハの模様もありましたが、初めてバンド演奏で歌ってみてどうでした?
トギー「めっちゃ楽しかったです。いつもの音源よりも歌いやすかったし、音がよく聴こえるので、リハーサルの段階で生の爆音で音楽をできる喜びみたいなものが凄く爆発しました」
モン「生音は全然違ったよね」
ティ部「RONZIさんのドラム、バスドラの音がキレイに聴こえて、特に“CURTAiN CALL”とかパンクに寄った曲だと、普通の音源よりもさらによく聴こえたので、苦手な曲でも歌いやすいなって思いました」
トギー「またいつかバンドで歌いたい」
――その〈ARABAKI〉の代わりにTOSHI-LOW(BRAHMAN)さんが企画したチャリティー配信の〈THINK of MICHINOKU〉に出演されました。
ティ部「トップバッターを任せていただいたんですけど、その場に立てるだけでも貴重でありがたくて、自分たちの元気と笑顔が東北の皆さんにも届けばいいな、いま音楽を必要としてる人たちにもBiSの魅力が届けばいいなと思って全力でやりました。初めて観た人の反応も見ることができて、凄く意味のあるものにできたかなって思います」
トギー「〈中止になって悲しい〉ではなく、〈ARABAKI〉に対してだったり、未来に対する前向きな気持ちが増しました」
ネオ「そうだね。みんなも元気で健康で、次の〈ARABAKI〉で会えるようにがんばります」