
現体制での第2弾シングルは、フルカワユタカの手掛けるダンサブルでブライトな“LAZY DANCE”! 誰にも奪えない未来へ向かって6人は踊り続ける!
トギー、ナノ3、ヒューガーの3人になって停滞を余儀なくされた状況から、5月にはイコ・ムゲンノカナタ、クレナイ・ワールズエンド、シオンエピックを迎えた現体制に移行し、全国ツアー〈3 balls and 2 strikes TOUR〉と並行して中野雅之(BOOM BOOM SATELLITES/THE SPELLBOUND)が手掛ける6人での初シングル“イーアーティエイチスィーナーエイチキューカーエイチケームビーネーズィーウーオム”をリリースしたBiS。9月からは新たなツアー〈INCREDIBLE BiS TOUR〉で全国12都市を巡るなか、ニュー・シングルの“LAZY DANCE”が完成しました。初顔合わせのフルカワユタカ(DOPING PANDA)が手掛ける新曲は、グループの新生面を照らす〈ダンサブル・デジロック〉に仕上がっています。
現状の課題
――現体制になって半年ぐらいが過ぎましたが、この半年でいちばん印象深い出来事は何になるでしょう?
ヒューガー「私はLIQUIDROOMでやった〈3 balls and 2 strikes TOUR〉のファイナルがやっぱり印象深いですね。自分が加入する前からBiSが立ってた場所で、自分もやってみたいなって思ってた場所だったんで、それを6人の初ツアーで実現できたのが凄く嬉しかったです」
イコ・ムゲンノカナタ「私は中野heavysickでのお披露目です。ずっとそこに向かって練習してて、本番はボロボロだったんですけど、初めてお客さんの前で踊ったり歌ったりできて楽しかったのを覚えてて、それが思い出に残ってますね」
クレナイ・ワールズエンド「私は前回のツアーの福岡公演です。福岡出身なのでもともと好きな場所なんですけど、初めての凱旋だったのもあって特に温かく迎えてもらえた感じで、もっと福岡が好きになれたライヴだったなって」
ナノ3「(喉の不調で)声が出なかった日だよね」
クレナイ「そういうのもあったけど、初めてだったので印象に残りました」
シオンエピック「思い出……みんなとは違う感じになっちゃうんですけど。半年前までは想像できなかったファンの方がいてくださるっていうのが、いまもちょっと不思議な気持ちで、ファンの人と出会えたことがいちばん良かったことですね」
ナノ「私はめちゃくちゃ直近なんですけど、いま回ってる〈INCREDIBLE BiS TOUR〉ツアーの高松でのライヴで、MCで〈SANUKI ROCK〉や〈モンバス〉にまた出たいっていう目標を口にしたんです。この体制になってから叶えたい目標みたいなものを言ってこなかったのが、みんなの前で口に出したことによってグループとしての目標みたいなのができて、ひとつになれたような気がしたので、その日が印象に残っています」
――それはみんなでライヴ前に話して?
ナノ「そうです。基本ツアーのMCは1人が担当してるんですけど、本番前にみんなで話したことを、高松ではトギーが代表して言ってくれたっていう感じです」
トギー「その高松もですけど、みんなで〈BiSはこうなっていきたいよね〉みたいなことを話した日のライヴは、やっぱり良いものになるな~って思って。お互いの考えをわかることが信頼に繋がるし、ライヴ中にも自分の気持ちが6個ある感じ。前回のツアーの札幌とか今回の香川はそれが凄くできたライヴだったので」
ナノ「〈BiSとしてどうなっていきたいか〉みたいのを話すことは正直あんまりなくて。ないなかで、この前はみんなで話して互いの意思や考えを知れたから、どんな小さな目標でも〈こうなりたい〉〈こういうことしたい〉っていうことを話していく機会は今後も作りたいと思います」
トギー「あと、仮に目標が叶ったとして、その前に自分たちが発信してたかどうかで、お客さんの気持ちも全然違うと思うんですよ。私たちがちゃんと意思表示していかないと、研究員(BiSファンの総称)もそうだけど、イベンターさんやBiSに関わってくれるスタッフさんたちにも伝わらないし、言っていくことで掴めるものもあるかもしれないし。香川を経て、口に出していくことを大事にしなきゃっていうのは凄く思いました」
――少し前まではそれどころじゃなかったでしょうし。
ヒューガー「はい。だから〈言っていいんかな?〉みたいな思いも正直あったんで。でも、同じ行き先を見れるっていうのは、自分がお客さんの立場だとしてもそのほうが嬉しいと思うので、言っていきたいなって改めて思いました」
――はい。いま話に出た〈INCREDIBLE BiS TOUR〉が現体制で2本目のツアーになりますが、前回と違う意識で取り組んでいる部分も大きいですか?
トギー「意識としては、〈先輩後輩〉とか〈新メンバー〉とかいう見え方もなくしていきたいと思ってやってるツアーですね。後から入った3人も責任を持ってBiSをできてるようになればいいなって思いながら、任せてやっています」
ヒューガー「ライヴ中のMCとか、曲中の煽りとか、今回はそれぞれが挑戦してみたりしていますね」
トギー「だから、今回のツアー始まる前からいきなり厳しくしてみたりもして。〈ごめんな~〉って思いながら」
ヒューガー「いきなり(笑)」
トギー「でも、私たちのほうが心の中でまだ〈新メンバー〉として見ちゃってる部分もたぶん大きいので、そこは元からいた3人側の課題だと感じてます」
――まだ〈新メンバー〉という感じ?
ヒューガー「3人を見て〈もうちょっとやな〉って部分があった時に、やっぱりトギーやナノに対するのとは違う接し方になっちゃう部分はありますね。私もそんなにできてるわけではないんですけど。でも、今回のツアーからみんな歌とかダンスの面で〈こういうふうに見せたい〉〈こういうふうに歌いたい〉みたいなのが見えるようになってきたから、全員が挑戦的になれてるんじゃないかな」
――個人的な課題はありましたか?
イコ「前回のツアーはMCとかも別になくて、一回一回のライヴで歌とダンスをやりきるのに必死だったんですけど、今回からはちゃんと自分の考えを持つように意識するようにして」
ヒューガー「前回はもう形にするのに必死みたいな感じやったからね」
イコ「伝えたいことが出てくるようになって、話したいこともいっぱい浮かんでくるようになりました」
シオン「前回のツアーは体力が全然なかったのもあって、ステージで倒れないように最後の曲までがんばろうっていうのを思ってできたんですけど。流石に半年も経ったので、毎公演やりきるだけじゃ、観てるお客さんも〈こんなもんか〉って思っちゃうと思うんで、今回のツアーからは〈今日はここでもっと腕を上げよう〉とか1個決めて、それを続けたらどんどん毎公演いっぱい良いところが出てくるかなと思って。そんな感じで決めてやってます」
クレナイ「最初のツアーも自分なりにがんばってはいたんですけど、今回は自分の考えを持ってライヴしてて、メンバーにも相談しながら、自分の意思を表現できるようにがんばっています」
前向きな気持ちになれる曲
――そんななかで登場するのが今回のニュー・シングル“LAZY DANCE”です。今回はDOPING PANDAのフルカワユタカさんがサウンド・プロデュースを担当されていますが、THE SPELLBOUNDさんとの前作と比べて、レコーディングのやり方に違いなどはありましたか?
トギー「フルカワさんは録った歌を直さずにいきたいって仰っていて。だから上手くできてないところのテイク数はめちゃくちゃ多かったです。そうやって、あえて変えずにいくっていうのを大事にしていただいたおかげで、私たちも〈絶対にできるまでやる!〉っていうのが身についたかなっていうのは思ってます」
――補正しないことを前提に歌を録ったんですね。
ヒューガー「そうです。特に細かいリズム合わせとか、ピッチも指導していただきながらレコーディングしたので、そのなかでみんな技術的な気付きが多かったんじゃないかと思います」
――曲調的には、いままでのBiSとはタイプの違う明るさが新鮮ですね。
ヒューガー「キャッチーです」
イコ「前回の〈イーアー〉とは雰囲気が全然違うし、自分が前から聴いてきたBiSの曲にもなかった、踊りたくなるリズムのポジティヴな曲なんですけど、歌詞は全部がポジティヴじゃなくて。私はそのネガティヴだけど前向きでもある歌詞に凄く共感できて、聴くたびに背中を押されるような曲になりました」
トギー「こういう明るい雰囲気の曲もライヴのセトリに欲しいなって思ってたので、前向きな気持ちになれる曲が入るのはかなり嬉しい」
ヒューガー「嬉しい。毎回やりたい」
トギー「あと、ギター・ソロがカッコ良すぎていつも興奮してますね」
ナノ「そこがカッコ良すぎるから、振付けも〈どうしよう?〉ってなったよね」
トギー「〈聴いてほしいから踊らんでええんちゃうか?〉って思った(笑)」
ヒューガー「振付け、超迷った。めっちゃ悩みました(笑)」
――振付けはどういう感じで作ったんですか。
ヒューガー「跳ねたくなるような曲なので音に合うように跳ねる振りにしたのと、AメロBメロは歌詞と連動した振りになっています。ある日、私が超閃いた日があったので、バ~ッて動画で撮って(笑)。7~8割ぐらいを私がトギーとナノに助けを求めながら作って、イコが考えてくれた振りもサビとかギター・ソロの超カッコイイところに入ってる感じですね」
イコ「ハッキリ考えたっていうよりかは、ちょこちょこ〈こういう動きはどう?〉みたいなのを一緒に考えて、形にしてもらったって感じですね」
ヒューガー「ギター・ソロのところでペアに分かれて踊るんですけど、イコはスタイリッシュ系のダンスが上手なので、そういうところは一緒に考えて。で、いろいろ調整して、立ち位置はナノちゃんが、振りが映えるように作ってくれました」
――わかりました。一方で、カップリングの“なまえをよんで”は、従来のBiSに馴染みがある人も聴きやすい曲調で。
ヒューガー「確かにそうですね」
トギー「まだ披露はしていないんですけど(取材時)、熱く歌える感じは凄くしてますね。気持ちを込めてできそうです」
――こちらのレコーディングはいかがでしたか?
シオン「“LAZY DANCE”はちょっと高いところを地声で出せるように指導してもらってがんばったんですけど、“なまえをよんで”はわりとそのままの自分の歌い方でも歌いやすい感じでした」
クレナイ「私は裏拍が苦手でこの曲は苦戦したんですけど、シオンも言ったように、めっちゃ高いところがあるわけじゃないから、そのリズムに集中して取り組めて、苦戦しながらも歌えたなって思います」
ヒューガー「最初にデモをいただいて聴いた時から、ちょっと泣きそうになるぐらい刺さりました。〈傷だらけでも心で笑ってて〉とか、そんなこと歌われたら号泣してしまいそうやなって一発目で思ったぐらい。私たちが届ける側なんですけど、まずリスナーとして凄く私は刺さって。〈声を聞かせて 悲しい夜は いつでも駆けつけてみせるから〉って、うちらがいない時に聴いてほしいなってめっちゃ思うから、これを歌で言えることが凄く嬉しいですね」
トギー「ホントにつらい時に言ってほしい言葉が詰まっていて、フルカワさんの人間力の高さをめちゃくちゃ感じたんですけど、フルカワさんも〈自分の曲では書けない歌詞〉って言ってくださっていて、だからこそBiSのために生まれたっていうのは凄く嬉しいです。ライヴで歌ったら印象がさらに変わりそうだし、BiSにとってもっと大事な曲になっていくんじゃないかなって、やる前から思ってるぐらい、すでに大切な曲です」
イコ「私はこの歌みたいに〈ざまあみろ〉とか人に思えないぐらい弱気なんですけど。だからこそ、こういう曲を歌うと自分も勇気をもらえるみたいな。歌ってても勇気をもらえるし、聴いてくれる方々も勇気づけたいです」
ヒューガー「 〈ざまあみろ〉って歌詞に入ってることについて、フルカワさんも〈若い頃はそういう反骨心みたいなものを持っていたほうがいいし、グループ内でもその気持ちを持ち合っていたほうが、お互いにどんどん良くなっていくよ〉みたいに言ってくださって。私は〈悔しい〉って思った時のほうががんばれるタイプだから、そういう心を持って生きようと思いました(笑)」
いつか見返したい
――BiSや自分自身の現状について、そういう気持ちは強いですか。
ヒューガー「そうですね。私はけっこうあります。WACKに限らずいろんなグループを見たり、いい感じになってる人たちを見て、〈うちら、どうやったらこんなふうになれるんやろ?〉って凄く思うので」
トギー「そうですね、やっぱり私がBiSでいることに対していろいろ言ってくる人もいるんですけど、もっと後から振り返った時に〈BiSを続けてて良かったな〉って思えるようになりたいし、そういう人たちに対して〈ざまあみろ〉っていつか言えるようになりたい部分もあるので。そうやって見返したい気持ちって凄く大事だと思うし、いつか〈ざまあみろ〉って思えるようになれた時には、たぶん自分の状況も変わってると思うので。だから、何年後かに聴いた時に、自分にとってこの曲がどうなってるのかも楽しみです」
――BiSに見返してほしいと思ってる人も多いと思います。
トギー「はい(笑)」
――今回そのための力になる2曲が完成して、取材時点ではツアーファイナルを控えている状態です。リリースという意味では恐らくこれが今年最後のインタヴューだと思いますので、この先のBiSはどうなっていきたいのか、年末から新年に向けての心意気を教えてください。
ヒューガー「課題は山ほどあるんですけど、まずファイナルのZepp Hanedaで一歩を踏めたら次に進むための大きい一歩にできるかなって思うんで。それで、2024年はもう、2023年からしたら考えられへんぐらい研究員と私たちの輪っかをもっと大きくしたいです」
シオン「やっぱりZepp Hanedaが凄く楽しみなので、そこに行くまでの過程も楽しみながら、研究員のみんなには凄く元気をもらってるので、私からも元気をあげられるように、もっともっと成長したいです」
イコ「そうですね。その先もとにかく良いほうに変わり続けて、たくさん努力して、もっともっと考えて、もっと大きくなっていきたいなと思います」
クレナイ「BiSのなかでもちゃんと言い合えて信頼し合える関係になって、BiSを応援してて良かったなって研究員が思えるようなライヴを、2024年もこの6人で一緒に作り上げていきたいです」
トギー「今年も来年も、研究員にとっても私たちにとっても、BiSっていうものが楽しいものであればいいなって思っています。いままで流石につらい気持ちにさせすぎてきたので(笑)、楽しいニュースでいっぱいにしたいです」
ナノ「はい。いまグループとしては、6人でBiSをやってはいるけど、全員が〈自分はBiSなんだ〉っていう自覚とか責任感を持ってやれれば、もっと良いグループになっていけると思っているので、コミュニケーションをもっと取れるようにして、先の目標じゃなく、いますぐどんどん変えていきたい部分はあります。この状況に必死に喰らいついて、より良いBiSになっていきたいです」
――ともかく、昨年からの激動を思うとコンスタントに作品が出せる状況になったのは何よりですね。
ナノ「ホントにこうやって先の楽しみがあるのってありがたいことだな~って今年は実感しました(笑)」
トギー「1年出せなかったから。ホントにありがたい」
ナノ「こうしてリリースできたり、ライヴをやれているのがまず嬉しいことだし、だから今後もこの6人のBiSが楽しみだって思ってもらえるようなグループになって、2024年もハッピーなBiSを届けていきたいですね」
BiSの近作を紹介。
左から、2022年のシングル“DA DA DA DANCE SONG”“Hey boy hey girl”、2023年のシングル“イーアーティエイチスィーナーエイチキューカーエイチケームビーネーズィーウーオム”(すべてULTRA STUPiD)
左から、DOPING PANDAの2023年作『High Hopes』(ソニー)、フルカワユタカの2022年作『ファースト・ディケイド』(Niw!)
