
実力をしっかりとつけた5人がワンダフルな季節をつれてきた! カラフルな楽曲を満載した『WOW!!シーズン』は一度しかない夏を鮮やかに彩ってくれるはず!
年明けにメジャーでの初アルバム『まめジャー!』をリリースし、その後は生みの親であるTV番組「水曜日のダウンタウン」の企画に伴うファーストサマーウイカとのコラボ曲“らぶ地球”の配信も話題になった豆柴の大群。並行して前年11月からの〈実力をしっかりとつけるツアー〉を2月に完遂し、5月からは次のツアー〈豆柴大作戦 ~掴み取れ豆粒の大群~〉で全国を回っている真っ最中です。今回は夏の到来に合わせたミニ・アルバム『WOW!!シーズン』について5人に話を訊きました。

ひとつになれてる
――現在のツアー〈豆柴大作戦~掴み取れ豆粒の大群~〉はいかがですか。
ハナエモンスター「初めてのお客さんが増えた気がします。〈ホントに初めて来てくれたんだな〉みたいな方々がいるのもステージから見ててわかるので。そこはツアー名の通り、豆粒(豆柴の大群ファンの総称)を掴み取れてるのかなって、嬉しい気持ちです」
ナオ・オブ・ナオ「ツアーと並行してオンラインで特典会もやっているんですけど、それこそ〈初めてライヴに行って気になったので、今回初めて参加しました〉っていう方も多くて、ライヴの感想を言ってくれたり」
――初参加の方が多いのはいいですね。
ナオ「嬉しいですね。まだライヴのノリ方というか、ちょっと恥ずかしくて手を上げられないみたいな方もなかにはいて。なので、そういう人に向けて〈手上げようよ!〉みたいな感じでやってたら、だんだん手を上げてくれたり、そういうのも目に見えて実感できてるので、良かったなと思います」
ミユキエンジェル「不安ななかで来てくれてる人たちを楽しませたいし、今回のツアーは全部の会場でお立ち台を使ってるんですよ。普通は広いステージにお立ち台つけるじゃないですか。でも、小さい会場でもお立ち台があるからこそ、来てくれた人たち全員の顔を見て、〈こうやるんだよ〉って振りを一緒にやれるのが凄く楽しいし、ひとつになれてるのかなって、このツアーを回ってて思います」
ナオ「お立ち台に登ると豆粒のみんながワ~ッて見上げて喜んでくれて、その顔が私は凄く好きで。みんなマスクしてるけど、目が笑ってて、嬉しいなって思ったり。あと、私個人の目標なんですけど、今回のツアーでは来てくれてる人たちの顔とか目を絶対ひとりずつ合わせていこうと思ってて。それを心掛けて毎回ライヴしています。なので、ライヴの後にTwitterとかで〈目が合った気がするけど、勘違いかな〉みたいな声を見るんですけど、〈勘違いじゃないよ〉ってここで言っておきます(笑)」
アイカ・ザ・スパイ「このツアーで初めて行く場所もたくさんあって、やっぱり一人で来てる人もたくさんいるんですよ。そういう人も一緒に楽しめるような空間を作っていきたいし、前回の〈実力をしっかりとつけるツアー〉の頃は自分が歌うパートでいっつも下向いたりしてたんですけど、いまのツアーでは前より笑って歌えるようになってきたし、お客さんにもそのぶん笑顔を届けられるようなライヴができていると思います」
カエデフェニックス「前回のツアー、今回のツアーと経験を積ませていただいて、やっと〈お客さんと一緒になる〉っていう感覚が掴めてきたかなって思いますね。最近はYouTubeをきっかけに好きになってくれる人もいたりして、いままでやってきたことがちゃんと成果に繋がってるのかなって感じられるツアーです」
――YouTubeはカエデさんがわりと攻めた役回りになることが多いですね(笑)。
カエデ「そうですね。キャラが崩壊しつつあります。本性がいろいろ見えちゃって(笑)」
ミユキ「本性とか言わないの(笑)」
ナオ「最初の頃の印象とはまったく違いますよね」
カエデ「ちょっと猫かぶってたんで。やっぱりいろいろ剥がされていくのがYouTubeだなって」
ハナエ「剥がされていく(笑)」
――そうやって忙しくされてるなかで新作『WOW!!シーズン』が完成しました。今回はどんな作品になりましたか?
ミユキ「わんわん」
アイカ「あの、ジャケ写もそうなんですけど、今回は豆から犬に変身しました。グループ名が豆柴の大群なのに、いままでは曲が本当にもうビーンズ系ばっかだったんですよ」
ハナエ「ビーンズ系(笑)。初めて犬に寄せた作品になってます」
ナオ「ずっと豆に寄せてたんですよね。“豆柴の大群-お送りするのは人生劇場-”でも〈豆豆豆〉って歌ってるし、『まめジャー!』っていうアルバム・タイトルとか、その収録曲の“まめのうた”とか」
――ファンの皆さんも豆粒だし。
ナオ「そうですよね。でも、いまになって犬に寄せていくことになって。ジャケ写も犬になってみて」
ミユキ「犬メイクをして」
ナオ「耳も付けて。でも、じゃあ何で衣装にアヒルが付いてるのかって言われたら、よくわからないんですけど。情報量がけっこう渋滞してる(笑)」
――白鳥じゃないんですね。
ナオ「コンセプトは〈白鳥の湖〉なんですけど、渡辺(淳之介:プロデューサー)さんいわくアヒルらしいです。しかも最初は股間に付く予定だったらしくて……」
――志村けんさん的な。
ナオ「流石にそれはダメだねって、両肩になりました」
――両肩でもインパクトは凄いですけど。
ハナエ「でも最初はビビッたよね。〈ホントにこれでいくんですか?〉って」
アイカ「〈これ着るの?〉って。冗談かと思ったらホントだった(笑)」
――これは『みにくいアヒルの子』的なものなんですかね。
ナオ「白鳥になりきれない私たちみたいな」
ハナエ「つらっ(笑)」
――でも、成長すると実は白鳥だったっていうお話ですからね。
ミユキ「いい話」
ナオ「じゃあ、そうだと思おうか(笑)」
クロちゃんの成長
――で、アルバムのオープニングは“まめサマー!?”ですが、曲調的にはユーロというか、パラパラっぽいというか。夏っぽいアッパーな曲になっています。
ナオ「最初に公開されたイントロだけ聴くとバラード調ですけど、そこからめっちゃアップテンポになるっていう、THE夏曲ですね。クロちゃん作詞で今回も不思議な歌詞なんですけど、私的に思ったのが、今回のクロちゃんは韻を踏んできたんですね。〈ECOな私は再生工場 さあ 口上〉とか。〈え、韻踏んでるじゃん〉って、クロちゃんの成長を感じました(笑)」
――どこ目線(笑)?
ハナエ「でも今回も音に対して歌詞の量が多すぎて、レコーディングは苦戦しました。譜割りに歌詞が入らなくて、ラップみたいになっちゃうんだよね」
ナオ「仮歌っていうのがあるはずなんだけど」
ハナエ「ガン無視してクロちゃんは作詞するので、松隈(ケンタ:サウンド・プロデューサー)さんが苦しんでる(笑)」
ナオ「レコーディングの時に本当のメロディーが出来上がるみたいな。いちばん時間がかかりました」
ミユキ「クロちゃんいわく〈ドジな女の子〉をテーマにしてるらしいんですけど、〈焼肉定食〉とか〈バスガス爆発〉とか入ってて、ちょっとよくわからない」
ハナエ「〈ドジな女の子〉要素どこ?」
アイカ「わかんない。〈勢い余って助けた 子犬に噛まれ号泣〉とか?」
ナオ「まあ、クロちゃんに訊いて答えが返ってきても、私たちには理解できないので」
――こちらがリード曲になるんですね。
ハナエ「MVももう撮影しました」
カエデ「〈この体操で今年の夏はナイスバディーになろう〉っていう内容なんですけど。某体操番組みたいな服装で必死にストレッチしてるのをクロちゃんに邪魔されるっていう、不思議な世界観が爆発したMVです」
ナオ「“らぶ地球”のMVに続いてホンマカズキさんが監督してくださったので、世界観がおもしろいです」
――振付けももう出来上がっている?
ハナエ「はい。ナオと2人で考えたんですけど、初めてタオル曲っていうのにしまして。豆粒と一緒にタオルを振り回せるような夏っぽい振付けを作りました。でもアヒルがいて難しいんですよ」
ナオ「そうね。AメロとBメロの間はタオルを首に掛けてるんですけど、アヒルが邪魔して、なかなかうまく取れないので、その練習をしてます(笑)」
――続いてはMVも公開済みの“走れ豆柴”ですが、これは改めて自己紹介するような曲ですね。
ミユキ「作詞は私と松隈さんの共作という形なんですけど、初めて犬をテーマにするからこそ改めてちゃんと全部言おうと思って、自己紹介曲みたいにしました。犬になるならやっぱり〈豆じゃないのよ〉って言いたかったのと、〈豆柴の大群〉〈豆粒〉っていうワードを絶対入れたくて。あとは松隈さんの仮歌にあった〈ぶんぶんぶん〉とか〈どんどんどん〉っていう歌詞を活かして書きました。だから、よくファンの方に〈ミユキの“走れ豆柴”、クロちゃんっぽいね〉って言われるんですけど、そこは私のクロちゃんイズムじゃなくて、松隈さんが書いた部分だと思います(笑)」
――松隈さんがクロちゃんに影響されてきたのかもしれないですね。
ミユキ「たぶんそうです。あと、運動会みたいな感じのメロディーがあるので、〈走れ走れ〉とかを入れたって感じです」
――これは豆柴らしいコミカルな感じですが、続く“PUT YOUR HANDS UP”は雰囲気がガラッと変わります。
ナオ「カエデーモンっていう、カエデの別人格がいるんですけど、その人が凄いシャウトをしている曲です(笑)」
カエデ「殻が破れたかなって思いました、この曲のレコーディングで」
――〈こんな声出るんだ〉みたいな感じですよね。
ナオ「カエデーモンを知らない人が聴いたら〈この声は誰?〉って思うぐらい、カエデの振り幅が表れてるんじゃないかな」
ハナエ「この曲、カエデ普通に歌うパートある?」
カエデ「ない。全部カエデーモン」
ナオ「何か松隈さんがカエデーモンを気に入っちゃって」
――曲調もいちばんヘヴィーですよね。
ハナエ「渡辺さんが作詞してるのもあって、WACKっぽい豆柴の大群が出てる一曲かなって思います」
ナオ「ロック調なので私は凄く好きな曲で。振付けを作るのも楽しみです。みんなで盛り上がれる曲になるなって思うし」
アイカ「〈プチャヘンザ〉だからね」
ナオ「そうだね。これから考えるんですけど、みんなに手上げてもらえるような振付けにしたいなって思います」
――実際のライヴでどう再現できるかも楽しみです。
ハナエ「言ってたよね、〈急にこの声出せるかな〉って(笑)」
カエデ「降ろせるかどうか不安です、カエデーモン(笑)」
ナオ「ライヴでこの曲になったら切り替えなきゃね。披露するのが楽しみです」
カエデ「がんばります」

思いが入った曲
――カエデーモンは次の“DEAD iNSiDE”にも登場しますが、こちらはミユキさん作詞ですね。
ミユキ「猫かぶってたわけじゃないですけど、いままでは言葉をキレイにしようと思って歌詞を書いてて、“TO THE FUTURE”とか“DADDY”とかは、たぶん優しい私が出てたと思うんですけど(笑)。この“DEAD iNSiDE”では私の心の底をやっと出せたかなって思います。何か、人の価値観とか大っ嫌いなんですよ。それで〈価値観down!〉って入れてたりとか。あと、〈信念信念更生〉〈深冷深冷今世〉の部分は、初めは別のワードを当てていたんですけど、考え直して、この言葉になりました」
――なかなかの本音を。
ミユキ「表せた曲かなって思います(笑)」
ハナエ「凄いラップ調で、レコーディングで誰も歌えなかったです(笑)。これも豆柴の大群では初めて挑戦したタイプの曲で。いままでもカッコイイ曲はあったんですけど、またダークな感じで、ミユキが心の奥底の自分を書いたみたいに、私たちも心の奥底から歌えたらなって思う曲です」
アイカ「豆柴ってこういう歌詞をまったく歌ったことがなかったし、このカッコ良さでまた違う豆柴を見せられる曲にしていきたいです」
――はい。続いての甘酸っぱい“君と妄想”もミユキさんの作詞で。
ミユキ「えっと、これは、けっこう若い子たちが豆粒にいるので、学生ならではのピュアな恋をイメージして書いた曲です。〈笑顔で手を振ってみる〉とか〈こっそりと後ろ歩く ちょっと速いんだよなぁ〉っていうのは、登下校をイメージしたりして」
――“DEAD iNSiDE”との振り幅が凄いですね(笑)。
アイカ「2曲連続してるから」
ミユキ「そうだ(笑)。確かに、ちょっと裏表感が出ちゃうかもしれないんですけど、こっちはピュアな学生の感じを出しました」
――なかなか口に出すのは照れるような言葉が並んでて。
ナオ「実は私も恥ずかしかったです。レコーディングの時(笑)」
ミユキ「サビとかそうだよね。ごめん(笑)」
ナオ「いい歌詞だよ。でもみんなが聴いてるなかでサビを歌うのは恥ずかしかった(笑)。ライヴはみんなと一緒だから大丈夫だけど」
ミユキ「みんな可愛らしくレコーディングをしましたね、これは」
――そしてラストの“魔法の言葉”。これはナオさんハナエさんミユキさんの書いた歌詞を組み合わせたものですね。
ハナエ「そうです。一人一人の込めたものが違うので、3人の思いが入った曲なのかなって思います。私は〈もしも一緒にどこかへ行けたなら〉っていうサビの部分とかを書きました。“君と妄想”とちょっと似てるんですけど、やっぱり誰しも憧れの人のこととか妄想はするじゃないですか。私も学生の頃はそういう気持ちがあったので、その時に妄想してたことを歌詞に詰め込みました、はい」
――アイドルっぽい回答ですね(笑)。
ハナエ「はい!」
ミユキ「アイドルだ(笑)」
ナオ「私が書いたのは最初の3行なんですけど。自分たちのことを俯瞰で見て、いままでの自分たちに向けて書いた覚えがあります。自分の歌詞ではその話が続くんですけど(笑)、この後のミユキが書いた歌詞に繋がってるような気もするので」
――〈喉の奥が〉からミユキさんの書いたパートなんですね。
ミユキ「そうです。私は過去の自分の引きこもり時代のことを思い出して書いたんですけど。毎日泣いて、古いテレビの上に隠れてたんですよ。私の部屋に昔の分厚いテレビがあって、その上に隠れられる空間があったんです」
ハナエ「裏じゃなくて上に?」
ナオ「比喩じゃなかったんだ」
ミユキ「ホントにあったの。私のファンの中にも同じような気持ちを抱えている方が多くて。だから、その子たちにも励みになったらいいなと思って自分の過去を書きました。〈私もそういう人間だったよ〉〈だから大丈夫だよ〉っていう」
――〈持ち前の明るさも 忘れてしまうくらい〉の部分もミユキさんですね。
ミユキ「そうです。みんなからは〈明るいね〉って言われてたし、自分でもそう思ってたんですけど、やっぱり引きこもりの時は人と比べちゃって、普通に生きれないのが嫌になってしまって」
――そうなんですね。でも、3人の歌詞が合わさると、寄り添うような優しい雰囲気に感じられます。
ミユキ「良かったです(笑)」
楽しんでもらうこと
――いまのツアーも半分を過ぎたところですが(取材時)、ファイナルに向かってどんな心境ですか。
ハナエ「前回の〈実力をしっかりとつけるツアー〉は、ツアー・タイトル通りに〈どうやったら成長できるか〉っていうテーマがあって、がむしゃらに自分たちの見せ方を追求してたんですけど。それを経て、今回のツアーは〈どうやったらお客さんに楽しんでもらえるか〉っていうのをいちばんに考えてるので、お客さんに一歩近付いたライヴができたらなって思っています」
ナオ「〈実力をしっかりとつけるツアー〉は体力や精神面も含めて自分たちを鍛えるツアーだったと思っていて、その成果はあったのかもしれないですけど、そこに引っ張られすぎた点はあって。今回のツアーはお客さんに楽しんでもらうことを意識してきて、ファイナルでは初めてZepp Tokyoに単独で立たせてもらうので、ここから豆柴の大群のことを好きになってくれる人がもっと増えるようにがんばっていきたいです」
――ファイナルの後には沖縄での追加公演も決まって。
ナオ「初めて沖縄でライヴできます。しかもファンクラブ限定で〈MONSTER IDOL〉の聖地巡礼もあるので」
――原点の場所に帰るわけですね。
ミユキ「帰る(笑)」
ハナエ「あんま良い思い出ないんですけどね(笑)」
アイカ「楽しい思い出に変えたい」
ナオ「豆粒のみんなと、沖縄を良い思い出で塗り替えたいですね(笑)」
――でも、こんな状況でも夏っぽいことができそうで良かったです。
ハナエ「うん、ありがたいです」
ナオ「最近はまたお客さんの目の前でライヴできる機会が増えてきて嬉しいし、この状況のなかで観に来てくれる人がいることも凄く嬉しいなって改めて思いますね。だからこの先も一緒に思い出を作っていきたいです」
豆柴の大群のアルバム。
左から、2020年作『スタート』(TOWER RECORDS)、2021年作『まめジャー!』(avex trax)