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ファットボーイ・スリムの別名義のように一発で消えよう!

次に、せっかくHALFBYという名前も考えたんだからオリジナルの楽曲を制作しよう! もちろん12インチで! そしてファットボーイ・スリム(Fatboy Slim)の別名義のように一発で消えよう!となり、リリースするならレーベルとかもあったほうがいいなーって小野くんと言ってて、小山内(信介)が暇そうだから相談して(小山内を主宰に)セカンド・ロイヤルが誕生します。で、音源作れる友達も誘ってコンピを出そう!って順番だったのかな~。リリース自体はセカロのコンピが先に5月に出て、『And The Coconut E.P.』は2002年の10月リリースみたいだけど(Wikipedia調べ)。

ということで『And The Coconut E.P.』の制作はこんな感じ。まずは一発屋といえば大ネタでしょう!と、レア・グルーヴっぽいけどフランス産だしどこか偽物っぽい曲をメイン・ソースに選んで、リミックスで既に手応えを感じてたファンカデリック(Funkadelic)のドラム・ブレイクもフィルに加えて導入。構成はスーパー・ラヴァ―・シー&カサノヴァ・ラッド(Super Lover Cee & Cassanova Rud)”Giggolo”の(Remix Vocal Version)そのまんまな感じで仕上げ、小野くんがノリで言ってきた〈“Pump Up The Volume(Eric B. & Rakim)”の声ネタも入れようや~〉を採用し、めでたくリード曲”No Cennection B-JR”が完成。もっと違うタイトルにすれば良かった。もちろんE.P.のタイトルはキッド・クレオール(Kid Creole)が率いたガールズ・トリオから拝借。

スーパー・ラヴァ―・シー&カサノヴァ・ラッド(Super Lover Cee & Cassanova Rud)の91年の楽曲“Giggolo”
クボタ(タケシ)さんクラシックだけど僕が知ったのは森野くん(義貴、HANDSOMEBOY TECHNIQUE)が真似してMIX TAPEに入れてたから。参考にしたのは〈Remix Vocal Version〉なんだけどリンクが無かったので通常ヴァージョンを
 

レーベルのカタログ01番なのに当時の常識でレコード1,000枚もプレスした結果、売り文句でよく耳にする〈リリース即完売!〉というのを自分の職場のレジで体験してしまいます。当時JET SET下北沢店勤務だった小堺(彰夫、Colette)ことコサオが東京の各所でサンプルを配ってくれたんですが、それが結構反響を呼んだ?みたい。小西さんもコサオからもらったと言っておられました。コサオサンキュー。

『And The Coconut E.P.』収録曲”No Cennection B-JR”
 

それから、そのカップリング用に作った”Alcapp Doolee”(Spiral StarecaseとかThe Brady Bunch仕事で知られる名アレンジャーAl Cappsに捧げた)をコンピにも入れようとなって。確か同時期にジュンジ@ORANGE RECORDSから〈コンピを作るんだけど1曲参加しませんか?〉って誘われて。誘ってくれたのはTREMORELAの田中(友直)くんだったか? 中川さん(達嗣、グルーヴあんちゃん)だったか? 思い出せないけど、まだデビューもしてないのによく誘ってくれたなーとなりながら作ったはず。あとはHappiness Recordsの『Tokyo Bossa Nova』というコンピ用に”Cool Herb”という曲を作ってリリースされたのが2003年。この辺は同時期に一気に作ったので時系列が怪しいんですが、レコード屋勤務と並行してドタバタで制作に向き合った結果”Cool Herb”とかサンプリング・ネタが多過ぎて謎カオティックな仕上がりに。

アル・キャップス(Al Capps)の73年のシングル“Shangri-La”
スパイラル・ステアケース(Spiral Starecase)の名盤だけ聴いても素晴らしいんだけど、ソウル/ファンク・フィーリングの60’Sブルーアイド・ソウルな重厚感と爽快なアレンジメントが光るオリジナル曲も、もう一つのシャングリラという感じで素晴らしい

 

初期楽曲をまとめた『HALF WORKS』

それらをまとめたミニ・アルバムをCDで出しましょう!とレーベル・オーナーっぽいことを小山内が言い出したので、慌てて作ったジングルを足して『HALF WORKS』が完成します。リリースは2003年。『HALF WORKS』は、後にRIP SLYMEのフミヤくん(DJ FUMIYA)がTSUTAYAかなんかで買ってくれたらしく、HALCALIのREMIX依頼へと繋がることとなります。いいエピソードでしょ? その辺も今後お話し致します。

さて、プレイリストの内容は、HALFBY誕生の2001年にリリースされた音源を、初回だから気合いの42曲を選びました! ダフト・パンク(Daft Punk)『Discovery』、アヴァランチーズ(Avalanches)『Since I Left You』、ベースメント・ジャックス(Basement Jaxx)『Romeo』、ストロークス(The Strokes)『Is This It』など時代を超えての名盤も多かった2001年ですが、その辺はさすがに割愛しつつ、懐かしみながら今のムードでも聴けること、新たな発見があることを意識し、当時DJでもかけていた曲や、今年リリースされるであろうニュー・アルバムの補足としても楽しめるような選曲にしたつもりです。

という感じで、初回は何だかダラダラと書いてしまいましたが、次回からはもう少し当時の音源に触れながらタイトにいきたいと思います。では、また次回! アロハ~。