Mikiki編集部員が最近トキめいた邦楽曲をレコメンドする毎週火曜日更新の週刊連載〈Mikikiの歌謡日!〉。連載100回を超え、4人が1曲を厳選し計4曲を掲載してまいります。 *Mikiki編集部
【酒井優考】
エルスウェア紀行 “少し泣く”
今年3月に紹介して以来ずっと気になっている2人組なんですが、これまでのもっとアコースティックだったイメージから一転して、新曲はテンポが速いフュージョンちっくでカッコいい曲に。オシャレなコード感と、絶妙な位置での自然な転調、緩急のついた怒涛の曲展開とメロ、そしてぱっと見、意味が掴めなさそうでよく聴けば強い意志を感じられる歌詞。そして何よりこの“少し泣く”というタイトル。ちょっとすごすぎる曲です。さらっと出てくる〈かなしみも本当は友だち〉という歌詞にグサッとやられました。
【天野龍太郎】
折坂悠太&中村佳穂 “ザ☆ピ〜ス!”
モーニング娘。の“ザ☆ピ〜ス!”ってこんないい曲、詞だったのか! すごい発見。カバーって、これくらいのものじゃなきゃ〈カバー〉って言えないよね。
【鈴木英之介】
和田アキ子 “黄昏にアンコール”
西寺郷太(作詞)× さかいゆう(作曲)× 鉄拳(映像)という布陣による、切なくも優しいソウルバラード。 鼓動のように太い音色で鳴るベースによって逆説的に〈命が永遠でないこと〉を意識させられるが、それをバックに和田アキ子が抑えたトーンで響かせる滋味豊かな歌声を聴いていると、〈永遠でないからこそそれは美しいのだ〉としみじみ思えてくる。和田アキ子という人が、まぎれもないソウルシンガーなのだということを改めて思い出させてくれる一曲。配信リンクはこちら。
【田中亮太】
HALFBY “Beach Baby Be Mine”
最新アルバム『Loco』からのシングルカット第4弾は、なんとハワイアンAORのレジェンダリーなシンガーソングライター、リチャード・ナットをフィーチャー。78年にデビューしたナットさんはもうかなりご高齢だと思うのですが、その歌声は変わらぬ甘酸っぱさ。軽やかなギターストロークと可愛らしいコンガが、爽やかさと楽しさと切なさを醸し出す、極上のアコースティックグルーヴな楽曲です。あだち麗三郎さんのメロウなサックスも最高。目をつぶると浮かぶのは、ブルーの海、眩い日差し、心を揺らす潮風……。どうしたってハワイに行きたくなります。連載〈HALFBYのローカリズム 2001~2021〉も継続中。前回の掲載から少し時間が空いていますが、次回の更新をお楽しみに!