七尾旅人を大トリに、この1年で多くの名作を送り出したfelicity。サブ・レーベルや年明けの動きも含め、注目カタログを振り返ります!
昨年の設立15周年を経て、2018年は精力的なリリースを重ねて走り続けたfelicity。小山田圭吾のトラットリアを継承するような形で立ち上がった同レーベルも、快速東京に始まり七尾旅人で締め括るというこの1年の作品群を振り返ってみれば、いわゆる渋谷系の功績をその時々の同時代性をもって提示する、という出発点から多方面へ向かって何歩も踏み出していることが理解できるだろう。さらに今年は、坂口恭平や国府達矢といった驚きのヴェテランのリリースや、ジム・オルークらの海外勢を送り出したサブ・レーベル、NEWHERE MUSICの始動など、トピックも多々。年明けにもそうした動きは続き、レーベルの初期組であるSpangle call Lilli lineの久々のアルバムのあとには、ニューフェイスとしてヴォーカルの伊東妙子とCOOL WISE MENの篠田智仁(ベース)から成るブルース・デュオ、 T字路sの新作も控えている。世代も音楽性もますますボーダレスに拡大中のfelicity。信頼できる耳から届くカタログは、今後も変わらず充実していくはずだ。*bounce編集部
2019年1月23日にリリースされるT字路sのニュー・アルバム『PIT VIPER BLUES』(felicity)