Mikiki編集部員が最近トキめいた邦楽曲をレコメンドする毎週火曜日更新の週刊連載〈Mikikiの歌謡日!〉。連載100回を超え、4人が1曲を厳選し計4曲を掲載してまいります。 *Mikiki編集部

★〈Mikikiの歌謡日!〉記事一覧

 


【鈴木英之介】

岡田拓郎 “Shadow”

1年3か月ぶりの新曲。2020年のアルバム『Morning Sun』と地続きでありつつもさらに立体感を増した、陰影に富んだ音像に引き込まれる。そしてモーダルで調性感の希薄な和声進行や、不協和音を奏でるピアノ、ファルセット・ヴォイスなどが、その独特の音像とあいまって神秘性を演出しており、聴いているうちに自分自身の心象風景をフィルムで見せられているような不思議な感覚に陥る。また岡田の流麗なギター・ソロを聴けるのも、ファンとしては嬉しいところ。その音色の意外なほどにストレートな艶やかさにハッとさせられる。

 

【田中亮太】

HALFBY “Let’s Stay Out (feat. Ginger Root)”

Mikikiでのキャリア振り返り連載〈HALFBYのローカリズム 2001~2021〉も好評のHALFBY。先日、ニュー・アルバム『Loco』を10月6日(水)にリリースすることを発表しました。この曲は同作からのリード・ソング。カリフォルニアを拠点に活動するベッドルーム・ポッパー、ジンジャー・ルート(Ginger Root)をフィーチャーし、ほんのりハウシ―なネオアコ/ブルーアイド・ソウルに仕上げています。本人曰く、意識したのは〈90年代のFactory Recordsの雰囲気というか、The Housemartinesからビーツの間のNorman Cookというか〉。アルバムにはサイトウジュンさんやmei eharaさんらも参加しているそう。今回もディープとポップの間にある絶妙なラインをスケートボードで滑っていくような、人懐っこくもかっこいい作品になっているのではないでしょうか。

 

【酒井優考】

猫を堕ろす “ときめきリサーチ200X”

以前紹介した宇宙団しかり、ディスク百合おんさんの一連のビデオのシリーズだったり、ノスタルジックを感じる処理の映像にまず個人的に弱いというのがあるのですが、猫を堕ろすの新曲はサウンド面でもノスタルジックを感じるのでグッときます。でもただの昔のテクノ風味ポップなサウンドの焼き直しではなくて、新しさもあって、いま自分たちの生きてるのとは違う世界線の未来みたいな……分かりますかねこの感じ。ツアーにはcolormalも出るし、先日別件で知り合った四丁目のアンナのディスコさんもMVに出ててビックリだし、いい音楽の界隈はみんな繋がってるんだなという感じです。みんないいです。

 

【天野龍太郎】

重盛さと美 feat. 友達 “END”

毎回紹介している気がする重盛さと美さんの新曲は、今回も〈友達〉をフィーチャーしたハートブレイク・トラップ・ソウル。そこはかとない2000年代R&Bっぽさとヴォーカル・サンプルがいい感じ。配信リンクはこちら