今年7月にタワーレコード限定盤『Peninsula EP』で日本デビューを果たした、UKはリーズ出身の3人組、ダイナソー・パイル・アップ。90年代のUSオルタナ・ロックグランジを彷彿とさせるダイナミックなサウンドが魅力の彼らが、8月の〈SUMMER SONIC 2014〉で初来日した。筆者が観た東京会場では、まるで3人とは思えないほどの分厚い音を鳴らしまくるステージに驚かされ、その迫力で曲を重ねるごとに観客を増やしていたのが印象的。初お目見えとしてはかなり好感触だったと言えるだろう。またこのタイミングで、10月8日に昨年本国で発表した最新作『Nature Nurture』の日本盤リリースもアナウンスされ、さらなる活躍が期待される。そんなダイナソー・パイル・アップが、今回の〈サマソニ〉後にタワーレコード渋谷店へ訪れたところをMikikiが直撃取材! 初来日の感想や、今後についてメンバーから話を訊いた。


――日本に来るのはプライヴェートを含めても初めてですか?

マット・ビッグランド(ヴォーカル/ギター)「そう、初めてだよ」

――では日本の印象はいかがですか?

マット「素晴らしいね! とにかく日本に来ることを楽しみにしていたから」

マイク・シールズ(ドラムス)「大阪はとてもクールだったし」

マット「東京ももちろん楽しくて、期待以上だよ」

 

 

――来日してから忙しいみたいですが、美味しいものは食べられてますか?

マイク「たくさん食べてるよ。昨日恵比寿でご飯を食べたんだ。特に蟹が美味しくて! (美味しいものを食べに行くことが)今回唯一できていることかな(笑)」

マット「大阪ではお好み焼きや蕎麦も食べたね。最高のビーフも」

マイク「そうそう、いままででいちばん美味しいビーフを食べたんだ!」

――それは良かったですね! ではさっそく〈サマソニ〉のことを訊きたいのですが、今回大阪と東京のステージに立ってみて、オーディエンスの反応はどうでしたか?

マット「本当にアメイジングだったよ! 東京の会場は大きくて、演奏するだけでもエキサイティングなことだったけど、オーディエンスのリアクションも凄かったし、圧倒されたね」

マイク「たくさんの人たちが来てくれて嬉しかった!」

――大阪と東京とで、オーディエンスの印象は違いましたか?

マット「どちらも同じようにエキサイトしてくれたよ」

ジム・クラッチリー(ベース)「大阪では天気が悪かったのに、雨の降るなかでも観にきてくれたんだ。UKだとそういうのはあまりなくて、雨が降ったらみんな呑みに行っちゃったりするんだけど。日本の人たちの音楽に対する思いやりを感じたよ」

マット「いっしょに歌ってくれたりしたのもすごく嬉しかった」

――東京のステージでは〈君たちはすごく静かだね〉とMCで言っていましたが……。

マット「それは僕らがチューニングし直していたりする曲間のことだよ! みんな、曲が終わるとワーッと盛り上がるのに、次の瞬間にパッと静かになる(笑)。日本のオーディエンスが僕らのショウをちゃんと観てくれているってことだから嬉しいけど、ちょっとびっくりしたんだ(笑)」

 

 

――そのライヴの後、私の周りにいた人たちは〈すごく懐かしい〉といった感想を口にしていて、やはり90年代のロックを聴いている世代にはそういう印象を持つ人が多いと思います。皆さんのルーツもやはりそこにあるのでしょうか?

マット「そうだね、90年代の音楽を聴いて育ってきたんだ。自分の音楽の趣味と言うのは、兄の部屋に積み上げられたCDに根差すものだけど、そこで見つけたCDから大きく影響を受けたのは、ニルヴァーナレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンスマッシング・パンプキンズフー・ファイターズデフトーンズなどで、それはマイクもジムも同じ。僕らのサウンドはそこから来ているよ。確かに90年代のギターものの時代の影響だね。ジムは髭を生やすのに一生懸命であまり音楽を聴いてなかったかもしれないけど(笑)」

【参考動画】フー・ファイターズの97年作『The Colour And The Shape』収録曲“Monkey Wrench”

 

マイク「90年代のバンドはいまでもフェイヴァリットだよ」

――90年代と言うと、皆さんが暮らすUKもロック・シーンが賑わっていた時期ですよね。

マット「でもその頃メインで聴いていたのはやっぱりアメリカのロック。UKだったら60~70年代の古いロックが好きで、レッド・ツェッペリンブラック・サバスビートルズキンクスあたりは聴いてるよ」

【参考動画】ブラック・サバスの70年作『Paranoid』収録曲“Paranoid”

 

――ところで、〈サマソニ〉では他のアーティストのステージは観ましたか?

マイク「本当はピクシーズが観たかったな」

マット「以前ピクシーズのツアー・サポートを務めたことがあって、日本でも観られれば良かったんだけど。〈サマソニ〉では会場に入って、プレイして、すぐに会場を出なければって感じだったから、いろいろ観ることはできなかったんだ。でもジムはいくつか……」

ジムBLUE ENCOUNTを観たよ」

マット「彼らとは10月に日本でいっしょにライヴをするんだ」

 

 

――ほー。BLUE ENCOUNTはどうでしたか?

ジム「とても良かったよ。今回初めて観たんだけど、演奏はとてもタイトで才能溢れるバンドだと思う」

マイク「ベース・プレイヤーが特にクールだったよね」

ジム「そうそう、ベーシストが良かった。僕はベーシストにはいつも目がいくんだ」

【参考動画】9月10日にリリースされるBLUE ENCOUNTのメジャー・デビューEP『TIMELESS ROOKIE』
収録曲“MEMENTO”

 

――では日本で共演するのも楽しみですね!

マット「そうだね。でも何よりまた日本に戻ってこられることにエキサイトしているよ!」

マイク「今回とはまた違う曲を演れるのも楽しみだね」

DINOSAUR PILE-UP Nature Nurture So/A-Sketch(2013)

 ――ところで、10月にリリースする『Nature Nurture』の日本盤には、ボーナス・トラックが6曲入っていますが、これはまったくの新曲ですか?

マット「新曲というか、このアルバムの曲と同じ頃に書いたものなんだ。だから、ある意味同じグルーピングができる楽曲として、今回ひとつの作品として含めていいと思ったんだよ」

【参考動画】10月8日にリリースされるダイナソー・パイル・アップの日本デビュー・アルバム
『Nature Nurture』収録曲“Nature Nurture”

 

――なるほど。さらに聴き応えのある一枚になりますね! ではそんなアルバムを聴いてほしい読者へ、最後にメッセージを!

マット「また日本でライヴをできることが楽しみだよ、ぜひ観に来て!」

※本インタヴューのダイジェスト映像&タワレコ渋谷店散策の様子はこちら

 

DINOSAUR PILE-UPジャパン・ツアー


with BLUE ENCOUNT(2公演共に)

10月28日(火)東京・代官山UNIT:with Hello Sleepwalkers
10月30日(木)大阪・心斎橋MUSE HALL:with WHITE ASH