NHK土曜ドラマ「今ここにある危機とぼくの好感度について」のサントラが発売になる。全トラックの制作、演奏のすべてを作曲家、サクソフォニストである清水靖晃が手がけた。一曲目に、ラヴェル+ガーシュイン風の響きが混ざり合う生々しいオーケストラ・サウンドが響き、ドラマの開始を強く印象付ける。タイトルとこの響きがウディ・アレンの映画を思わせるが、音楽はその後プリペアードされたピアノや、バッハをモチーフにして色彩豊かにトラックを編む。サウンドに埋められた暗号のようなバッハが、音だけを残したこのアルバムに完成、終焉にむけたドラマを作り出す。清水はこのバッハに最後、言葉を添えて歌に仕上げる。美しい。