Mikiki編集部員が最近トキめいた邦楽曲をレコメンドする毎週火曜日更新の週刊連載〈Mikikiの歌謡日!〉。連載100回を超え、4人が1曲を厳選し計4曲を掲載してまいります。 *Mikiki編集部

★〈Mikikiの歌謡日!〉記事一覧

 


【田中亮太】

Waater “SPIDER”

Waaterは2021年に鳴らすべきロックンロールがどんなものであるかを、みずからの頭と体を使って見つけ出そうとしているんだと思います。もはやおじさんたる筆者が彼らの音楽を聴くことは、バンドにとって百害あって一利なしと思わなくもないですが、その姿勢にはいやおうなくグッとくるわけで……。MVのディレクターは、ますますひっぱりだこなJACKSON kakiさん。

 

【酒井優考】

宇宙団 “いつかは”

この仕事をしていると、インタビューでも仕事のメールでも世間話でも「ここ1年はどうでした?」「苦しかったですねえ」みたいなやり取りを非常に多くするのですが、「じゃあいつになったら事態は好転するのだろう?」とも同時に思うわけです。この歌は、決してコロナのことを歌ってるわけではないのですが、「状況は変わらないけど、じゃあてめえはいつ変わるんだよ?」っていう、今だからこそ絶対に沁みるメッセージが込められてると思います(作詞作曲したもちづきさん、意図してなかったらすみません……)。にしても宇宙団、新体制になってグッと良くなった気がするなあ。先週~今週はいい新曲がたくさんリリースされたけど、やっぱりこの曲が一番心に残りました。

 

【天野龍太郎】

桑田佳祐 “Soulコブラツイスト~魂の悶絶”

明日9月15日(水)にリリースされる4年ぶりの新作にして初のEP『ごはん味噌汁海苔お漬物卵焼き feat. 梅干し』から、〈歌謡日〉(この連載のこと)にぴったりの一曲。いつもの桑田節、なれどホーンズやエレクトリック・シタールなどが舞い踊る70年代(昭和40~50年代)ソウル風のアレンジと「レコ大」(尾崎紀世彦?)のパロディーの映像が笑えるやら泣けるやら。特に切ないストリングスがいい。オザケンの『LIFE』を愛する人もシルク・ソニック(ブルーノ・マーズ&アンダーソン・パーク)のファンも聴くべき名曲。配信リンクはこちら

 

【鈴木英之介】

AmPm “Jakarta”

ワールドワイドに活躍する覆面ユニットのAmPm(アムパム)が、世界の都市の名を冠したダンス・トラックを制作する企画シリーズ(コンセプトの詳細については本人たちのnoteを参照)。“Tokyo”、“New York City”に続く第3弾としてインドネシアはジャカルタの名が冠されたこの曲は、民族打楽器的な音色が心地よい、オリエンタル感溢れるダンス・チューン。ハウスを基調にした楽曲でありもちろんダンサブルなのだが、それだけでなく、聴いているうちに脳内に豊かなイメージが広がっていくところも魅力だ。本人たちのYouTubeラジオでの解説によれば、踊らせることへの意識の比重はいつもより少し抑えめであり、その代わりにラウンジ・ライクなスムース感を出したいと意識していたのだという。その狙いはしっかりと成功しているように思う。王舟やVIDEOTAPEMUSIC、Dorianなどのファンにもぜひおすすめしたい。