Mikiki編集部員が最近トキめいた邦楽曲をレコメンドする毎週火曜日更新の週刊連載〈Mikikiの歌謡日!〉。2019年2月からスタートし、編集部員4人が1曲ずつを紹介するこの連載は、今回が最終回となりました。それでは最後までよろしくお願いいたします。 *Mikiki編集部

★〈Mikikiの歌謡日!〉記事一覧

 


【天野龍太郎】

Awich “Queendom”

Awichが歩んできたハードノックライフをひたすらストイックなラップで叩きつけるニューアルバムのタイトルトラック。ひとつひとつのラインがあまりにも圧倒的で、感想を語る言葉が出てきません。ドラムレスな前半から荘厳な後半へとビルドアップしていくChaki Zuluのビートも強烈。『Queendom』の配信リンクはこちら。3年間続いた〈Mikikiの歌謡日!〉を読んでくださったみなさま、ありがとうございました!

 

【鈴木英之介】

みらん “あたたかい光”

3月16日(水)にリリースされるデビューアルバム『Ducky』からの一曲。同じく『Ducky』からの先行曲である“低い飛行機”にてプロデュースを務めた曽我部恵一や、彼女自身が影響を公言している小沢健二などに通ずる、甘酸っぱくみずみずしいポップナンバーだ。これを聴きながら歩いていると、もうすぐそこまで来ている春の気配が感じられ、思わず気分が浮き立ってくる。新人紹介連載〈Mikiki’s Young Bloods〉でも過去に取り上げているので、併せてぜひ一読を。

……とまあいつもの調子で書いてみたけれど、当連載〈Mikikiの歌謡日!〉も今回がついに最終回。これまでお読みいただき、ありがとうございました。アディオス、フェアウェル、サヨナラ。この次はモアベターよ!!!

 

【田中亮太】

大石晴子 “発音”

シンガーソングライターの大石晴子さんが、待望のファーストアルバム『脈光』を4月27日(水)にリリースすることを発表しました。この“発音”は同作からのリードソング。リリカルな鍵盤、柔らかなウッドベースをアンサンブルの中心に置きつつ、適宜挿し込まれるストリングス風のシンセにはポストクラシカル/アンビエントな雰囲気もあります。そして、大石さんの歌声は穏やかならざる心をただただなだめてくれるようで。アルバムがどんな作品になっているのかは不明ですが、身体に光を息吹かせてくれるような一枚だといいな。

 

【酒井優考】

Kroi “Small World”

シンガーソングライターでも打ち込みでもユニットでもアイドルでも割と何でも好きなんですが、〈バンド〉という形態が奏でる音楽が一番好きで、それはやっぱりいつも同じ複数人のメンバーが同じ方向を向いて音楽を作る〈バンド〉っていうものの奇跡を今までたくさん観てきたからなのかなと思います。たくさんの奇跡が起こるからこそ、脱退・解散・逮捕に死去など悲しい出来事もたくさん起こるわけなんですが……。

時世柄ライブハウスにもフェスにもそんなに行かなくなっちゃったし、〈音デカ!〉〈耳キーン〉みたいなバンドの爆発力もなかなか身近で味わえなくなってしまいましたが、でも、だからこそKroiみたいなバンドバンドしてるバンドがこういうつまらない世界に風穴をドカンと空けてくれて、今一番奇跡を見せてくれそうな存在に近いんじゃないかなと思っています(「バズリズム02」の〈これはバズるぞ2022!〉では3位だったけどバンドとしては実質1位!)。このMVの檻から解き放たれた獣みたいな感じもそんな雰囲気にバッチリだと思います。

……というわけで全146回にもわたってオススメの邦楽曲を紹介してきた〈Mikikiの歌謡日〉はこれが最終回になってしまいました。と同時に私もお隣のbounce編集部へ行くことに……。これからはbounce誌で、いい音楽をご紹介するお手伝いができればなと思っております。皆さまこれまで拙い文章をお読みいただきありがとうございました!