40年ぶりの大復活。もともとはTVの特番用に2曲だけを作るはずが、アルバムへと発展したとか。誰もが口ずさめるクリアなメロディー、奇を衒わない素朴なサウンドは、まぎれもなくかつてのアバそのもの。現代的なアプローチは一切見当たらず、往年の代表曲を思い出させるあの旋律やフレーズが、あちこちにちりばめられていて、彼らの全キャリアを振り返ったセルフ・トリビュート・アルバムのような作りとなっている。2人の女性ヴォーカルはもちろん全盛期ほど若々しくはないけれど、あえて加工を施さず、ありのままなのが実直だし好ましい印象も。〈旅立ち〉と題された本作はラスト・アルバムと謳われているけれど、これをきっかけに創作欲がくすぐられるのでは?と、さらなる展開にも期待したい。