NHK連続テレビ小説「おかえりモネ」の主題歌として朝を彩った表題曲“なないろ”は、バンドサウンドとストリングス、ホーンセクションが軽やかで爽やかな一曲。

〈昨夜の雨の事なんか 覚えていないようなお日様を/昨夜出来た水たまりが 映して キラキラ キラキラ〉〈手探りで今日を歩く今日の僕が あの日見た虹を探すこの道を/疑ってしまう時は 教えるよ/あの時の心の色〉

気象予報士を扱ったドラマの主題歌ということもあり、歌詞には天気を表す言葉がちりばめられ、心に焼きついている思いへの感情が巧みな比喩で描かれている。キラキラと輝くのは、お日様ではなく、あくまでも雨が降ったあとの〈水たまり〉。心模様を、ただ単に晴れを希望や喜び、雨を悲しみや涙の象徴として表現しているだけではないのが秀逸だ。

また、結成25周年を迎えた2021年2月11日に発表された“Flare”も収録。孤独や痛みを抱えながら、それでも生きていく私たちに、仄かな灯火のように寄り添ってくれる。最新曲“Small world”は、幻想的で、切なくも心温まるミディアムナンバーだ。3曲それぞれ異なった魅力を持ちながらも、どれも、そっと背中に手を添えてくれるような優しい心強さを放っている。