セルとクリーヴランド管弦楽団が1965年6月24日、アムステルダムのコンセルトヘボウで行ったコンサートのライヴ録音(ステレオ)。セルはコンセルトヘボウを〈最良のホール〉と絶賛しており、いわば自身が理想とする場所に手兵を率いて乗り込んだかたち。従って指揮者、オーケストラ共に気迫満点。ワーグナー“マイスタージンガー”第1幕前奏曲はバランスや透明度を保ちながら、押しの強いガッツあふれるサウンド。メインのシューベルトも響きの凝集力に圧倒され、最初のホルンからフィナーレまで一気呵成。その中で細かい凹凸もつけ、ピタリとはまるのが流石。既出盤より耳あたりの優しい音質になった。
ジョージ・セル(George Szell)『ワーグナー:楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第一幕前奏曲、シューベルト:交響曲第9番「ザ・グレート」』クリーヴランド管弦楽団と〈最良のホール〉で繰り広げた気迫満点の演奏
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