とは言ってみたものの、いまもCDで入手できるものは想像以上に少ない……というか、そもそも売れっ子感があるわりに、ラスティはあちこちに顔を出しているわけでもないし、リミックスやプロデュース・ワークもそう多くはない。ハドソン・モホークのような同郷の盟友や、もっと若い世代のクリエイターと比べてもそこまで積極的にモードのアピールを行ったりしないのは、イメージ通りに慎重だからなのか、あるいはそうガツガツする必要がないからか。勢いアルバム以外のワークスはワープ契約前後の諸々がまだまだ多くを占めることになる。

2007年のシングル“Jagz The Smack”

ジョーカー&ラスティの2008年のシングル“Play Doe”

 最初のシングル“Jagz The Smack”(2007年)に続いて脚光を浴びたジョーカーとのコラボ・チューン“Play Doe”(2008年)はパープル軍団のコンピなどでチェックすることが可能。また、初期のリミックス・ワークといえるゾンビーの“Spliff Dub”(2008年)をはじめ、クルッカーズ“No Security”(2009年)、ステイトレスの“Ariel”(2010年)、そしてジョーカーの“On My Mind”(2011年)あたりはいまでもCDで聴くことができる。以降もここでは紹介できないが、ルナイス“Fancy Forty”やサーキン“Lose Yourself”、セバスチャン“Love In Motion”といった大きめのリミックス仕事は続いてはいる。そうなってくると自身から積極的に働きかけたというダニー・ブラウンとの仕事は、今後も非常に珍しい例になるのかも?

ルナイスの2012年のシングル“Fancy Forty (Rustie Remix)”

 

▼ワープ移籍後のラスティの作品

左から、2010年のEP『Sunburst EP』、2011年のファースト・アルバム『Glass Swords』(共にWarp)
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▼関連作品

左から、“Play Doe”を収録したコンピ『Purple Legacy : A History Of Purple WOW』(World Of Wonders/Multiverse)、ゾンビー“Spliff Dub(Rustie Remix)”を収録したコンピ『5 Years Of Hyperdub』(Hyperdub)、日本盤にのみ“On My Mind(Rustie Remix)”を収録したジョーカーの2011年作『The Vision』(4AD/HOSTESS)
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