そのロマンティックなエレポップでUSインディー・シーンから世界へ飛び出した5人組。カラフルなテクスチャーやヴォイス・サンプルの使い方といった細部にIdiot Popとの近似性が見て取れるが、それらを駆使して全方位対応のポップスを作らんとする気概がもっとも共鳴している点? *澤田
ノイジーなギター・ポップとでも言うべき方向性から一気にエレクトロニクスの導入へと踏み切った3作目。翌年にはくるりがプログラミングを導入した『TEAM ROCK』を発表し、当時は後人への影響大なこの2バンドの転換期。日本のロックと電子音楽の距離が縮まった時期でもあった。 *土田
別掲のパッション・ピットやイマジン・ドラゴンズ、フォスター・ザ・ピープルらと共に、本人のフェイヴァリットであるインディートロニカ・バンドで、しなやかな女性ヴォーカルと柔らかなサイケ感が特徴。Idiot Popファンには“Hearts Like Ours”“I Kill Giants”あたりがおススメ。 *土田
〈5番目のビートルズ〉とも呼ばれた鍵盤奏者はゴスペルをベースとしたポップ&ファンキーな作品を多く残している。Idiot Popいわく、「ジャクソン5とかもそうだけど、何十年前の音楽ながら、いま聴いてもホントにカッコイイ。今回、僕のなかでの〈普遍性〉のひとつの基準になりました」。 *土田
【参考動画】BILLY PRESTONの1984年作『On The Air』収録曲“And Dance”
シンプルなブレイクビーツ上で流麗なピアノの音色が転がる“フリクション”で想起したのは、この人のトラックの持つセンティメンタリズム。ポエトリーと歌の狭間をいくラップの詩情は、観音と多くコンビを組んでいた不可思議/wonderboyの諸作にも通じる。 *土田
エレクトロニックなサウンドと歌モノやディスコとの折衷、メロディーに立ち現れるロマンティシズム──Idiot Popの新作と、フランスの奇才=チリー・ゴンザレスの本作との共通項は多い。特にクラシカルなピアノを配した“life is like a bad movies”がゴンゾー的。 *澤田
〈普遍的な曲〉というお題にIdiot Popが即答したのは、クランベリーズの“Dreams”。“HOPE”は同曲×現行の海外インディー・ポップをイメージしたそうで、たおやかな揺らぎを纏った音像と浮遊感のあるヴォーカリゼーションが両者で共通している。 *土田
松田岳二をヴォーカルに迎えた甘酸っぱいソウル・ポップ“There We Go!!!”には、松田も所属していたescalatorより登場したHARVARDに似た感触が。渋谷系を経由したポップセンスやエレクトロニックな味付け具合に通じるところがあるのかも。 *澤田
終盤に登場する“君のことが知りたくて、君のことを夢にみる”は、Idiot Popが第一線のポップ・バンドに比肩する歌心を持つことを証明する名バラードだろう。そのリリカルなトーンには、たおやかかつ孤高の歩みを続けて来た空気公団に近いニュアンスが。 *澤田
エレクトロニック・ミュージックの分野でメロディックなアプローチを見せるアーティストは決して少なくないが、そのなかでIdiot Popに紐付けられるのは、ワープが誇るこの若き俊英プロデューサーになるかもしれない。ヤンチャなビート使いや、あっけらかんとしたポップセンスが通じる? *澤田