グルーヴィーな演奏とメロウネス溢れる歌声で〈ツマミになるグッドミュージック〉を奏でる4人組、YONA YONA WEEKENDERS。昨年、待望のファーストアルバム『YONA YONA WEEKENDERS』をリリースしました。そんな彼らのフロントマン、磯野くんの連載が〈ラーメンから歌が聴こえる〉です。

磯野くんはとにかくラーメンが大好き。アルバム『YONA YONA WEEKENDERS』の特集記事では、音楽家としてもラーメン好きとしてもリスペクトしているサニーデイ・サービスの田中貴さんとの対談が実現しました。この連載では、そんな彼が愛してやまないラーメンを、音楽にたとえながら紹介してくれます。

今回は、六本木にある〈MASHI NO MASHI TOKYO〉に入店。一杯一万円という驚愕の値段を据えられた高級ラーメンから聴こえる歌は? *Mikiki編集部

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“光の中”と“明るい未来”のライブ映像

 


BE:FIRSTが教えてくれた、一杯一万円のラーメン

本連載の六杯目、〈NHK食堂のラーメンから大滝詠一『A LONG VACATION』が聴こえる〉はもうお読み頂けただろうか? 我々YONA YONA WEEKENDERSの「シブヤノオト」出演に伴い、NHK社員食堂でのラーメンロケを敢行。本番ではMCの麒麟・川島明さんに「これ音楽番組やんな?」とツッコまれるほどの尺で放送され、自分で言うのもおこがましいが、なかなかの盛り上がりを見せた。

本番後、共演したBE:FIRSTの皆さんがわざわざ挨拶に来てくれた(なんとメンバーのLEOくんは普段からYYWを愛聴してくれているらしい)。話してみると、食べ盛りのヤングたちとあって、ラーメン好きのメンバーが多いと言う。この連載のことを話すと、「ぜひ行ってみてください!」と、それぞれオススメのラーメン屋を惜しげもなく教えてくれた。これから日本のミュージックシーンを席巻していく若者たちが、清湯スープのように澄んだ瞳で、こんなしがないサラリーマンのおじさん相手にそれはそれは一生懸命に。

やっぱりラーメン好きに悪い人はいないんだな……。彼らの優しさに胸を打たれつつ、必死にメモを取る。そのなかで、RYOKIくんがかつて取材で訪れたという六本木のラーメン屋が、なんと一杯で〈一万円〉もするらしい。

一万円……。

昨今のラーメン業界において、一杯千円以上のものはさほど珍しくないが、〈ラーメン=手頃に幸せを感じられる食べ物〉という考え方の僕にとっては流石に足が竦む値段だ。しかし冷静になってみると、本連載で食すラーメン代はすべて取材費として賄われている。そう、僕は無敵なのだ。「普段の10倍気持ちを込めて書きます!」などと適当なことを言って、強引に取材に漕ぎ着けた。

 

クラフトビール、大鰐温泉もやし、神戸牛……

というわけで今回訪れたのは、六本木にある〈MASHI NO MASHI TOKYO〉。こちらは〈和牛輸出王〉の浜田寿人氏と、実業家の〈ホリエモン〉こと堀江貴文氏がプロデュースする所謂〈二郎インスパイア系〉ラーメンを提供している店。もともと会員制のエンタメレストラン〈WAGYUMAFIA〉にて月一イベントとして始めたのだそうだ。

店はガラス張りで、イエローを基調としたポップかつオシャレな造り。その値段から敷居が高そうに思っていたが、普通のラーメン屋と変わりなく、店員さんが元気に迎えてくれた。カウンターの上には小箱に入った箸や銀色の高そうなレンゲが綺麗にセッティングされている。カジュアルな面がありつつも、一万円のラーメンを食わせるための拘りが随所に垣間見える。

着席後、店員さんからメニューが渡された。早速注文!と思ったら、まさかのドリンクメニュー。WAGYUMAFIAでも提供されているクラフトビールやワインなど、豊富なラインナップだ。昼時だったが、折角なのでSANSHO LAGER(ビールの苦味に山椒の爽やかな風味がベストマッチ!)を頼んでラーメンを待つことにする。

そしていよいよお目当ての一万円のラーメン、WAGYUJIROを注文。オーダー用紙に麺の量、ニンニクの有無などを記載する。勿論いずれもマシのマシ。出来上がりまでは、美味しいクラフトビールを堪能しながら店員さんの食材の説明に耳を傾ける。

〈幻の野菜〉と呼ばれる大鰐温泉もやしに、田子ニンニク。チャーシュー……否、チャーギュウは牛肉の最高峰、神戸牛。現物を見せてくれながら調理が進むので、否が応にも期待感はマシのマシになる。100%牛骨でとった出汁に合わせるカエシは、界隈ではお馴染みのカネシ醤油を使用しているとあって、二郎へのリスペクトも存分に感じられた。

そうこうしている間に店員さんが丼を持って目の前に現れる。

「マシノマシトウキョウ、ワギュウジロウ、行っっっっってらっしゃい!!!」

漢らしい掛け声と共に、満を持してWAGYUJIROが着丼だ。

 

まるで五輪! 非日常で特別なラーメンのワクワク感

先ずはスープからいただく。乳化したスープはこれまでに味わったことのないほどのまろやかさ。数年前に鳥取で牛骨ラーメンを初めて食べたとき、そのコクと香ばしさに心底感動したのだが、より深みがあり、牛の旨味がこれでもかとばかりに押し寄せる。甘目のカエシとの相性も素晴らしい。

ここで必殺の天地返し(麺と野菜を逆転させる二郎系ではお馴染みの技)をお見舞いし、野菜にスープを染み込ませつつ、麺を啜る。こちらは二郎系の代名詞とも言うべきオーションを使用、加水率低めのワシワシ極太麺で、食べ応え抜群。

そしてお待ちかねの神戸牛を使った牛チャーシュー。口に入れた瞬間、あまりの美味さに感嘆の声が漏れた。RYOKIくんの言葉を借りるならば、〈チャーシューではなくもはやステーキ〉。驚くほどに柔らかい肉は、噛むと上品な脂がジュワ〜と溢れ出してくる。〈ほっぺが落ちる〉という表現は、この肉のためにあったのかもしれない。

野菜も天地返しが必要なかったほどに素材の味がしっかりしていて美味しい。スープ、麺、肉に野菜……それぞれかなり個性的なキャラクターではあるが、個性を殺さず、しっかり一杯の〈ラーメン〉としてハイレベルにまとまっていることに驚いた。肉のスペシャリストのラーメンへの情熱は半端なものではない。

後半は二郎系に欠かせないニンニクや、オススメのタバスコを入れるなど味変を楽しみながら食べ進める。じっくり味わおうと思っていたが、これも二郎系の魔力か。気付いたときにはまるで幻だったかの様に丼からすべてが消えてしまっていた。

WAGYUJIROは、各食材のオールスターが集結した、一万円という値段も納得せざるをえない衝撃的な味わいであった。しかしながら、この一杯は我々にとっては〈非日常〉。オリンピックやW杯みたいなもので、非日常で特別だからこそ僕たちはワクワクするし、その儚さに心を揺さぶられるのだ。

 

豪華アーティスト9人の個性を見事に調和させた冨田ラボの“MAP for LOVE”

この一杯に重なったのは、2021年にリリースされた、冨田ラボの配信シングル“MAP for LOVE”だ。

冨田ラボ 『MAP for LOVE』 ビクター(2021)

 2020年、新型コロナウイルスの影響で多くのライブイベントが中止になるなかで始まったJ-WAVEの〈#音楽を止めるな〉プロジェクト。これに賛同した冨田氏が、開催中止となったライブイベントに出演予定だったアーティストと共にリモートワークで制作したという一曲である。

坂本真綾、長岡亮介(ペトロールズ)、長塚健斗(WONK)、Naz、bird、藤原さくら、堀込泰行、吉田沙良(モノンクル)、Ryohu(KANDYTOWN)がボーカルで参加し、角田隆太(モノンクル)が作詞を、Ryohuがラップパートを手がけた。

冨田ラボの2021年のシングル“MAP for LOVE”
 

冨田節全開の複雑でいて美しいトラックのうえで、各アーティストがそれぞれの個性を放つが、サビではそれらがひとつに合わさり、力強くメロディーを奏でる。後半のRyohuのリズミカルなラップパートから元のパートへと流れるように繋がっていく展開も秀逸で、個性的な9人を“MAP for LOVE”という一曲に見事にまとめ上げている。

残念ながら、今後まったく同じメンバーで新しい曲をリリースすることはないかもしれないが、この素晴らしい共演、素晴らしい一曲に、コロナ禍で疲弊していた心を揺さぶられた人が数多くいたのではないだろうか。

さて、ラーメンを食べ終わり会計へ。マネージャー分と合わせてラーメン2杯、ビール4杯で(おかわりしちゃった)締めて26,400円。流石にちょっとやりすぎたかと罪悪感を感じたが、駅に向かって歩いていくと良い感じに酔いが回りすぐに忘れてしまった。

ラーメン好きにもこんな悪いやつがいるのだった。

 

MASHI NO MASHI TOKYO
東京都港区六本木4-5-11 SIX 1F
オフィシャルサイト:https://wagyumafia.official.ec/

 


RELEASE INFORMATION

YONA YONA WEEKENDERS ファーストアルバム『YONA YONA WEEKENDERS』

YONA YONA WEEKENDERS 『YONA YONA WEEKENDERS』 スピードスター(2021)

リリース日:2021年11月3日
品番:VICL-65586
価格:3,300円(税込)

TRACKLIST
1. 思い出in the sky
2. 終電で帰ります
3. Open your eyes
4. リルバズ
5. Good bye
6. 泡沫の夢
7. いい夢
8. Night Rider feat. 荒井岳史(the band apart)
9. Tick Tack
10. 光の中

 

LIVE INFORMATION

DISK GARAGE presents 「虎に翼」
2022年3月18日(金)~20日(日)東京・渋谷 WWW
出演:YONA YONA WEEKENDERS/フレンズ
問い合わせ:DISK GARAGE 050-5533-0888(平日12:00〜15:00)

SANUKI ROCK COLOSSEUM 2022 -MONSTER baSH × I♥RADIO 786-
2022年3月19日(土)~20日(日)香川・高松 festhalle/オリーブホール/DIME/MONSTER/SUMUS cafe
出演:YONA YONA WEEKENDERS and more
問い合わせ:デューク高松 087-822-2520(平日11:00-17:00)

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