〈ツマミになるグッドミュージック〉を奏でるYONA YONA WEEKENDERSが、前作『YONA YONA WEEKENDERS』(2021年)から2年半ぶりの新作にして2ndアルバム『LIVE』を2024年7月24日にリリースした。〈ライブ〉バンドとしての決意を示すグルーヴィな曲と、日々変わりゆく〈生活〉に優しく寄り添うチルアウトナンバーが共存し、“寿司と酒”“Orange Moon feat. 大塚愛”といった話題曲を詰め込んだ本作。Mikikiでは以前連載〈ラーメンから歌が聴こえる〉を担当していたバンドのフロントパーソン・磯野くん(ボーカル/ギター)が、全曲のセルフライナーノーツを綴った。 *Mikiki編集部

YONA YONA WEEKENDERS 『LIVE』 スピードスター(2024)

 

1. シナプス

7月某日、自宅の一室にて我々の2ndアルバム『LIVE』を聴き終わり筆を執っている。
本作を頭から最後まで通して聴いたのは何気にこれが初めて。音源自体は6月の頭には出来上がっていたが、昨年からかなりの時間と労力をかけてきた作品だったので、ちょっと距離を置きたいというか、一旦熱が冷めてから改めて向き合いたいと思っていたのだ。
マスタリングを終えた時に感じたあの確かな手応えはその後も輝きを放ち続けているか、再生ボタンを押すまではいつになく緊張したが、1ヶ月ぶりでも〈めっちゃ良いやん!〉と思えたのでとりあえず一安心。

さて、そんな本作の幕開けがこの“シナプス”である。
シナプスとは、ざっくり言うと脳内の神経細胞同士の接続部。それぞれの環境や経験によってその数は変化し、記憶力と学習力に個人差をもたらすのだそうだ。
2016年の結成から今日に至るまで、YONA YONA WEEKENDERSもアマチュアからインディーへ、そしてメジャーへとフィールドを移していった。関わる人、共演するミュージシャン、ライブ会場、飲み友達だったメンバーとの距離感も、いつの間にか変わっていく。

この曲を聴き終えた時、我々が対峙してきた〈変化〉の先に、確かな〈進化〉を感じ取ることが出来た。
同時に、視界が開けて青空がパッと広がるような、だだっ広い草原に今まさに産み落とされたような、〈おっしゃ、生きるぞ〜!〉というエネルギーが身体中にみなぎり、一旦PCを閉じてパンツ一丁からの脱却を決意した昼下がりであった。

 

2. Long Ride

昨年11月に〈Japan Tour〉と銘打ってスタートした我々の全国ツアーは、約3ヶ月に及ぶバンド史上最長のツアーとなった。
生々しい話だが、我々の移動手段は予算の都合上ハイエースが主である。
ドライバーがいて、機材はスタッフさんが運んでくれて、自分達だけでバンドをやっていた頃に比べると随分楽をさせてもらっているが、我々もすっかりミドルサーティー。東京から大阪くらいまで走れば思う存分に腰とケツをやられる。
その上僕はとても神経質で、車で寝ることが出来ない。更に環境の変化にも弱く、宿泊先のホテルでも熟睡出来ない。ボーカリストとしてこれはかなり致命的である。

それでもライブが好きで、ステージから見える景色が好きで、今日はどんな人達に会えるだろうなんて考えながら、高速を走っている時の夜の闇と朝焼けのコントラストが好きで、SAの喫煙所での一服が好きで、生き甲斐。そんなことを歌った曲。

ほとんど同じコード進行の中でどうやって展開させるかをめちゃくちゃ考えながらアレンジをしていったのだが、皆んなに初めてデモを聴かせた時、ビーソル(小原“Beatsoldier”壮史、ドラムス)がボソッと「間奏いいな」と言ってたのがめちゃくちゃ嬉しくて印象に残っている。