所属レーベルも含めてカニエ・ウェスト絡みで名を上げてきたニュージャージーのラッパー……と言われるが、大半は歌っている若き才人が2年半ぶりに発表したセカンド・アルバム。今回もデイヴ・ハメルンがメインで制作を担当し、ヨハン・レノックスやマイク・ディーンも関与した“Web”を筆頭にプリズマイザー的なエフェクトをかけたヴォーカルで神々しく迫りながら、ノイジーに渦巻くギターやシンセとともに鬱屈した感情などを吐露していく。同性パートナーのケラーニに通じる“Vibrations”や先行シングル“Skin And Bones”のようなオルタナR&B路線もありつつ、全体的にはエモ・ラップ的なムードが濃厚。クリスティーヌ・アンド・ザ・クイーンズを迎えて激しい欲求を歌った“Body”にも感情を揺さぶられる。