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インタビュー

4s4ki『Killer in Neverland』怒涛の進化を遂げてきた強烈な個性が語る、破壊者として再構築に挑んだ音楽のネバーランド

強烈な個性と溢れる才気で想像を超える怒涛の進化を遂げてきた4s4kiが新作を完成! 破壊者として再構築に挑んだ音楽のネヴァーランドにはどんな現実が広がっている?

とにかくゲームに逃げ込んでた

 生き辛さをエッジーなビートに転化し、ネオンカラーの音色でコーティング。数多の音楽性をハイセンスに組み上げ、世界的なハイパーポップの流れの先頭を走りながら独自の進化を遂げてきた4s4ki(アサキ)より、アルバムとしてはおよそ1年ぶりとなる新作『Killer in Neverland』が到着した。〈仮想現実と自分らしさ〉がテーマの本作には、さまざまなゲームから得た着想が多く散りばめられている。

 「正直なところ音楽はあんまり聴かないんです。意図して聴くっていうよりも、ゲームやアニメ、映画のBGMや挿入歌を通じて自然と耳にしているって感じですね。今作に関しては、好きなゲームを題材にした楽曲が半数ぐらいあって。例えば『トライアングルストラテジー』っていうゲームにアラビア風の国が出てくるんですけど、そのBGMでハンドパンやカリンバを知って、自分のトラックにも取り入れてみたり。ただ、ゲーム音楽に寄りすぎるのも良くないので、ゲーム音楽 × トラップみたいなものとか、自分なりのおもしろさが出るように創作している感じですね。とあるホラゲと『クロノ・クロス』を掛け合わせた“into the darkness”には、そのゲーム音楽 × トラップっていう面がいちばん出ていると思います」。

4s4ki 『Killer in Neverland』 スピードスター(2022)

 退廃的な近未来のベルリンを舞台とするインディー・ゲーム「Encodya」から一部着想を得て制作したというミステリアスな冒頭曲“電脳郷”から広がるネヴァーランド。その構築に向けて今回招かれたクリエイターは、maeshima soshi、gu^2、Masayoshi Iimoriの3名だ。まずmaeshimaは、スピーディーにドライヴする先行曲“LOG OUT”、Instagramで募ったファンからの恋愛譚を一癖あるラヴソングに仕立てた“ring ring, you kill me”、「17歳当時の日記の一部みたいな楽曲」を現在の自身に重ねた“Cross out”、これまでの4s4ki曲でもとりわけリラクシン&ポップな“BOUNCE DANCE”という4曲に関与している。

 「中学2年の頃、『マビノギ』っていうオンラインRPGに学校へ行けなくなるぐらいハマってたんですけど、“LOG OUT”を作った頃にふと〈あの時間はすごく糧になったな〉って思ったんですよ。私、嫌なことがあったらとにかくゲームに逃げ込んでたんですね。でも、中学生っていう吸収しやすい時期にゲームしてたことが、いまの自分の音楽性に繋がっていて。ゲーム音楽って、コード感がおもしろかったりするんですよ。私が作るジャンルの音楽ってノーコードだったり、少ないコードのものが多いんですけど、本来はノーコードがセオリーのビートに複雑な展開のコードをあえて乗せるって発想は、たぶんそのゲームにのめり込んでいた時期からくるもので。『beatmania』とかもプログレっぽい楽曲が多かったり、音ゲーって、やっていくうちにリズム感も染み付くじゃないですか。そういうのもいまに結び付いてるなって。

 “BOUNCE DANCE”は歌詞をアニメーションで可視化するっていうテレビ東京が始めた新プロジェクト〈KASHIKA〉とのコラボ曲で、ダンス・シーンを作りたいってことだったので、まずはドロップ部分から取り掛かって。それと、ぶっ飛んでいるというよりはまともなハッピーさのある楽曲にしたくて、ふわっと揺れることのできるBPMを意識しました。この曲はアルバム本編の最後の曲なんですけど、そういう立ち位置だとむしろ毒だなって思います。暗めだったり不思議だったりする曲がさんざん続いたあと、最後は平和的に跳ねて踊るって逆に不気味だなと。みんなには〈怖っ! 急にどうした!?〉って思ってほしいです(笑)」。

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