お久しぶりです。fhánaの和賀です。この記事が掲載される頃はすっかり秋だと思いますが、秋といえば食欲の秋!ということで、今年は野菜と茸、そして魚をどんどん食べていきたいなーと思ってます。お取り寄せグルメ的なあれも活用していきたいですねー! では今回もやっていきましょう。

TAKU INOUE, 星街すいせい 『3時12分』 トイズファクトリー(2021)

 まずは、TAKU INOUE & 星街すいせいの“3時12分”。リリース前のティザー映像を何気なく再生したらあまりのお洒落さに何回もリピートしてた記憶があります。歌の出だしの〈はしゃいだな〉の時点で〈その言葉のチョイス!! 凄い!〉といった感じなんですが、サビの〈こないでこないで次の朝よ 踊っていたいよ僕ら死ぬまで〉など、語りすぎず心の琴線にそっと触れるような言葉選びがとても好き。心地良いシンセの音色+ドラマティックなリズムに加え、サビの広がりからさらに一歩踏み込んで世界が一気に回るような、度肝を抜かれるスペイシーな展開が最高に気持ち良いです。間奏での後藤貴徳さんのギターソロも圧巻ですね……。星街すいせいさんの歌も、心地良い空気感を含んだ揺らぐ歌声と言葉の端々に乗せた歌唱表現が、楽曲とこれ以上ないくらいマッチしています。

 今まであまりVTuberの方の歌や楽曲に触れる機会がなかったのですが、この楽曲きっかけですっかりハマってしまいました。最近だと宝鐘マリンさんの“Unison”や、推しの天音かなたさん“特者生存ワンダラダー!!”(USGの田淵さん作詞/作曲!)あたりもおすすめです。リリースを控える星街すいせいさんの『Still Still Stellar』の表題曲もイノタクさん作曲なので、そちらもとても楽しみですね。ちなみに、友人には「お前は絶対ハマるから止めておけ」的なことを言われたんだけどなぜ……。

月ノ美兎 『月の兎はヴァーチュアルの夢をみる』 SACRA MUSIC(2021)

 2曲めは先日リリースされた初アルバム『月の兎はヴァーチュアルの夢をみる』から、月ノ美兎の“ウラノミト”。作詞が只野菜摘、作/編曲が広川恵一(MONACA)という、わかる人にはたまらないペアの楽曲で、音がとにかく気持ち良く、鮮やかな編曲に加えて田淵さんによるえげつないベースが超格好良いです。アルバム自体も名だたる超豪華メンバーによる、日本のポップカルチャーをごった煮したような楽曲たちが揃っており、聴き応えのあるものになっています。

4s4ki 『Castle in Madness』 スピードスター(2021)

 最後は4s4kiの“gemstone feat. Puppet”。〈フジロック〉出演も記憶に新しい彼女の最新アルバム『Castle in Madness』の冒頭を飾る楽曲です。ハイパーポップの文脈で語られることも多いのですが、この曲は近年再評価されているオルタナティヴロックのテイストを含んだサウンドが、自分みたいにその音で青春を過ごしてきた世代にもガッツリ刺さるのではないでしょうか。今回はこのへんで! それではまたね。

 


PROFILE: yuxuki waga
佐藤純一(FLEET)とs10rwのyu­x­uki waga、kevin mits­unaga(Leg­gy­salad)という3人のサウンドプロデューサーとヴォーカリストのtowanaから成るユニット、fhánaのギターを担当。「小林さんちのメイドラゴンS」のオープニングテーマとなる最新シングル“愛のシュプリーム!”(ランティス)が好評リリース中! その他のスケジュールは〈http://fhana.jp/〉でご確認を。