過ぎていく時間を一瞬も逃さず生きていくんだって歌詞に大共感しながら歌ってます（笑）（横山）
──先ほどお聞きした“オーロラ”を挟んで、次の“しるし”は?
横山「パソコン音楽クラブさんに作っていただいた曲で、メンバーの中では前作に収録されていた“春にゆびきり”の続編なのかなって思いました。
“春にゆびきり”は暗い部屋でひとり体育座りをしてるってイメージだったんですけど、“しるし”はその部屋に朝焼けの光がゆっくりと差し込んでくる感じかなってメンバーで話し合ってレコーディングに臨みました」
──レコーディング前に、みなさんで曲についてよく話し合うんですか。
横山「ハイ。いつもレコーディングをする前に、曲のコンセプトを考えたり、曲の主人公が何歳くらいでとか細かく設定するんです。“春にゆびきり”が自分たちの曲だと考えていたので、“しるし”の主人公は自分たちって設定にして考えました。
歌詞には、ゆっくり立ち上がって準備をしていくイメージがありますね。希望に溢れてて、いつ聴いても美しい曲だなって思います。いつも元気をもらえます」
──“水硝子”は?
宇野「“水硝子”は去年5月に配信リリースされた曲で、アルバムの中で一番初めにできた曲になるんです。ただそのときは、アルバムの話もまだ出てない状態でした。
君島さんに初めて作っていただいた曲で、このときに初めてウィスパーボイスに挑戦したんです。かなり一生懸命歌いましたね。
歌詞が、好き過ぎてその人に溶け込みたいって恋の感情を歌ってるんですよ。ライブで歌うとき、私たちは歌詞を繊細で暗い感情として解釈して歌ってたんです。でも、この間君島さんにお会いしたときに〈“水硝子”はすごく明るい曲だよ〉って聞いてびっくりしたんです」
横山「好きすぎて病んじゃってる子なのかと思ってたんです（笑）」
宇野「その話を聞いて、そこからは表情を明るく歌うようになりました」
横山「ライブで歌うごとに、どんどんメンバーの感情の入れ方が強くなってる気がします。前以上に、今はいい表現できてるんじゃないかなって思いますね」
──では“たったいま：さっきまで”は?
横山「これは、ウ山あまねさんに作っていただいた曲です。ウ山さんは前回“水硝子”のリミックスを作っていただいていて、今回が初めてのレコーディングだったんです。でも初めましての感じがしないくらい、楽しくいいムードで歌わせていただきました。
私は、曲中にメンバーの声が変化していくのが好きなんです。最初はささやくように歌ってて、最後は感情大爆発って感じで突き抜け感がすごいんです。
私は、今この一瞬を生きるって歌詞がすごく好きです。過ぎていく時間を一瞬も逃さず生きていくんだって気合いを感じられて、歌詞に大共感しながら歌ってます（笑）」
──次の“PASSPort”は?
五十嵐「蓮沼執太さんに作っていただいた、ニューヨーク旅行がテーマの曲です。実際にメンバーで架空のニューヨーク旅行を計画するトークを蓮沼さんに見てもらって、そこから歌詞を作っていただいたんです。歌詞に出てくるセントラルパークとかピクニックとかのワードは、メンバーが言ったことが採用されてるんです。
あと、RYUTistはあまり英語に触れてこなかったので英語で歌うのがチャレンジでした（笑）」
宇野「英語の部分も、メンバーから出た言葉が英語になってるんです」
横山「架空のニューヨーク旅行は、お店も調べて結構本気でスケジュールを決めたんです（笑）」
五十嵐「場所的にこことここが近いかな?とか話したよね」
横山「1週間の予定をちゃんと考えたんです。真ん中の日程はちょっとまったりしようとか、本気で過ごしやすいスケジュールで考えました（笑）」
佐藤「みんなニューヨークに行く気満々でした（笑）」
──（笑）。そしてラストナンバーは“逃避行”です。
五十嵐「めちゃいい曲です。この曲が自分たちの曲なんだって思うと、鳥肌が立つくらいうれしいです。壮大だし、まさに『（エン）』って感じの曲だなって思いますね。
これも、曲中にメンバーの声が変化するんです。最初は静かに始まるんですけど、一気に感情爆発するところが好きです。
あと、これは三声でハモってるんです。いつもハモリは、私とともちぃがメインパートを歌うことが多いんですけど、この曲はともちぃがハモリの一番下のメロディーを歌うんです。すっごくきれいなメロディーなので、ぜひ縁の下の力持ちともちぃにも注目してほしいです（笑）。
あと、この曲でアルバムが終わるので、最後のファンファンファンって音が消えるまで聴いてほしいです」
