〈ホイットニー・ヒューストン ホログラムコンサート〉が、2023年1月26日(木)~28日(土)に東京・渋谷のオーチャードホールで開催される。ホログラムで蘇ったホイットニーが生バンドやダンサーと共演し名曲を歌う、日本初上陸のこの公演は、どんな公演で、どんな体験ができるのだろうか? 本日12月3日からついにチケットの一般発売開始されるコンサートやその見どころについて解説した。 *Mikiki編集部


 

ホイットニー・ヒューストンの歌と存在を新たに、生々しく感じる

ホイットニー・ヒューストン。名曲“I Will Always Love You”(92年)や“I Wanna Dance With Somebody”(87年)などで、誰もがその名前と歌声を知っている、歴史に名を残すディーヴァだろう。2012年に惜しくもこの世を去り、彼女の才能がこの世界から失われたことは、多くのファンを悲しませた。

しかし、その後もホイットニーの歌が忘れられたことはなかった。今年に限っても、「ボヘミアン・ラプソディ」(2018年)の脚本家アンソニー・マッカーテンがその半生を描く映画「ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY」が12月23日(金)に公開されることが大きな話題になっている。また、映画の公開直前には『ジャパニーズ・シングル・コレクション -グレイテスト・ヒッツ-』がリリースされる。また、来年は生誕60年を迎え、その業績が振り返られる機会も多いだろう。人種やセクシャリティーの問題に直面しながら表現者としての生涯を駆け抜けてきたホイットニーは、現代を生きる人々をいまも勇気づけ、再発見されつづけているのだ。

そんなホイットニーの逝去から10年が経った。彼女の歌声を、その存在を再び感じることは、遺された作品を通じてしかできないのだろうか? あの圧倒的なパフォーマンスを再び浴びることは不可能なのだろうか? 没後にホイットニーの音楽に出会った若いファンたちは、〈The Voice〉を体験することはできないのだろうか?

そんなことはない、と言えるのが、限界を超えて技術革新が進む音楽の世界の現状である。

ホイットニーの歌と存在を新たに、生々しく感じることができる機会、それが、このたび日本に初上陸する彼女のホログラムコンサートだ。

〈ホイットニー・ヒューストン ホログラムコンサート〉予告動画

 

生バンドやダンサーと共演し名曲を歌う新たなライブ体験

〈ホイットニー・ヒューストン ホログラムコンサート〉は、ホログラムによってステージ上に復活したホイットニーが、生バンドやバックのボーカリストたち、ダンサーたちと共演し、名曲の数々を歌い上げる。

特徴は、単なる過去の音源や映像の上映ではなく、他のシンガーやバンドによる再演でもないところだ。ホログラムによる生々しく躍動する映像、最上の音響によって再現される歌と演奏、ステージを盛り上げる現実のプレイヤーやダンサーたちが三位一体となって、私たち観客のもとに押し寄せる。レガシーと〈いま、ここ〉の共演とでも言うべき新たなライブ――そんな体験が約束されているのが、このホログラムコンサートである。

今回のコンサートの英題は、〈An Evening With Whitney〉となっている。彼女が亡くなってしまったいま、実現不可能に思われた〈ホイットニーとの一夜〉が、テクノロジーによって可能になるのだ。