キングギドラへ至る前触れとなった近年の動きもチェックしておこう
93年に結成されたキングギドラは……というか、初作『空からの力』(95年)の20周年記念盤が登場した2015年に特集しているので詳細なキャリア解説は当時の記事を参照いただくとして……2002年の大ヒット作『最終兵器』及びそのリミックス盤『最新兵器』をもって休眠状態となっていたギドラだが、もちろんその後も3人は折に触れ集結してきた。
2011年には東日本大震災のチャリティー曲としてKGDR名義で“アポカリプスナウ”を発表(後にK Dubのシングル“沈まぬ太陽”に収録)し、同年にはZeebraのアルバム『Black World/White Heat』にK DubとOasisが駆けつけて“Pop”でマイクを交わした(Zeebraはすでに〈KG 3.0〉とスピットしている!)。件の20周年を経た2016年にはK DubがZeebraとOasisを招いての“化学反応 #kgdr”(Zeebraは〈Tougher Than Leather〉と歌っている!)を発表しており、その頃から本格的な再集結の計画は立体化しはじめたのかもしれない。また、今年に入ってSOUL SCREAMの“TOu-KYOu 2021”に3人とRhymesterが参加し、往年の名マイクリレーを見せてくれたのも重要だ。
なお、個々でもK Dub Shineは別掲のSUGIZOやTeddyLoidら幅広いメンツとコラボし、Oasisは輪入道やUZIらをプロデュース、Zeebraは〈ヒプノシスマイク〉から¥ellow Bucks、Novel Core、PUNPEE & BIM、出たばかりのTWIGYの新作に至るまで精力的に活躍していることも付け加えておこう。 *出嶌孝次
左から、キングギドラの95年作の20周年記念盤『空からの力:20周年記念エディション』(Pヴァイン)、キングギドラの2003年作『最新兵器』(DefSTAR)、Kダブシャインの2012年のシングル“沈まぬ太陽”(ワーナー)、Zeebraの2011年作『Black World/White Heat』(ARIOLA JAPAN)、Kダブシャインの2016年作『新日本人』(Atomik)、TeddyLoidの2018年作『SILENT PLANET: RELOADED』(EVIL LINE)、輪入道の2020年作『光』(GARAGE MUSIC JAPAN)、TWIGYのニュー・アルバム『RAPATTACK』(GOD INK)