インタビュー

naomi & goroはボサノバから逸脱し心地よいダウンテンポへ――ユーミンや山下達郎などを再解釈した『ケサランパサラン』を語る

気ぜわしい毎日をときほぐす、naomi & goroの新作

 ヴォーカリスト、布施尚美とギタリスト、作曲家の伊藤ゴローのデュオnaomi & goro、待望の新作がリリースされた。『ケサランパサラン』と題したこのアルバムは、オリジナル3曲とカヴァー6曲からなるもの。伊藤ゴローによるギター、ピアノなどの演奏とプログラミングにヴォーカルがのるというスタイルで制作された本作について、伊藤ゴローに伺った。まずはオリジナル曲から。

naomi & goro 『ケサランパサラン』 ユニバーサル(2022)

 「“手紙”は〈手紙社〉から依頼されて制作したインストの曲をブラッシュアップしてヴォーカルを加えた曲です。“アザミ”はアルバムのために書き下ろしました。naomi & goroとして今何ができるかなと考えて作った曲ですね。当初はデモから楽器を差し替えてギターと歌をメインにしようと思っていたのですが、最終的にデモのトラックを使うことにしました。デモを再現してレコーディングするというのに最近はあまりリアリティを感じなくなりましたね。初期衝動が失われていってしまうというか。音楽を作るときも聴くときも、そういう新鮮な気持ちを大切にしたいと思っています」。もう1曲の“Karel Capek 2020”はもともと〈カレルチャペック紅茶店〉からのオファーで制作された楽曲だそう。洒脱なインスト・ナンバーだ。

 カヴァー曲に目を移すと、荒井由実“12月の雨”、フレンチ・ポップの名曲“オー・シャンゼリゼ”、映画「サウンド・オブ・ミュージック」より“エーデルワイス”、ロマン派から近代音楽の初めに活躍したフランスの作曲家ガブリエル・フォーレの歌曲“水のほとりで”、山下達郎の“クリスマス・イブ”、そしてエルトン・ジョンの“僕の歌は君の歌”が並ぶ。「“12月の雨”は〈70年代のユーミン〉という感じのいい曲ですよね。“オー・シャンゼリゼ”と“エーデルワイス”は昔から好きな曲。フォーレのこの曲はいつかやりたいと暖めていました。こうしたクラシックの曲を僕みたいなクラシック外の人間が解釈して演奏するというのはこの先取り組んでみたいですね。“クリスマス・イブ”は(布施)尚美ちゃんがいい具合にフラットに歌ってくれて成立したと思います。エルトン・ジョンは〈できるのかなぁこれ〉と思っていたんですけど、なんとかまとまりました(笑)」

 〈ボサノヴァ・デュオ〉と称されることも少なくないnaomi & goroだが、本作はいい意味でそこから逸脱した心地よいダウンテンポ作品。なにかと気ぜわしいこの時期、穏やかに過ごしたい日に繰り返し聴いていたい。

 


LIVE INFORMATION
クリスマス・スペシャルコンサート
2022年12月10日(土)東京・表参道 DEE’S HALL
開場/開演/終演:15:30/16:30/18:30予定
出演:naomi & goro(布施尚美/伊藤ゴロー)
★生配信あり
https://www.gettiis.jp/event/detail/100031/naomigoroh

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