2008年の『PURPLE』以来となる吉田仁プロデュースの14作目。初期の作風、つまり90年代後半~2000年頃のトレンドを想起させるネオアコ~ポスト・ロック~エレクトロニカへの回帰が見られるが、よくあるY2Kリヴァイヴァルと一線を画すのは、緻密なビートの反復と、音の余白を活かした芳醇なハーモニーというサウンドの機能美を当時以上に極めているから。時代が一周しても、バンドの超然とした佇まいにブレはない。