Nagipanとの共作となった『PEPE』に続くニュー・アルバムは、2020年から2年間の間に制作した音源の〈断片集〉という位置付けの一作に。コロナ禍を横目に、とかくままならぬ日々や人生そのものも肯定せんとの思いを込めたインストの数々は、よりシンプルな構成にピアノなども配しながら、慈しむかのように一音一音を掬い取っていく。前田和彦と共に今回もゲストとして名を連ねる田我流による唯一のラップ曲“Shooting Star”や、水木しげるの肉声や昭和の映画からの引用を大胆にあしらった“Akirame”をはじめ、ありのままの生を受け入れて寄り添う、人生のサウンドトラックたるアルバムだ。