五十嵐夢羽さん、宇野友恵さん、横山実郁さんの3⼈による新体制で活動を続けているRYUTist。2023年9月8日(金)にはSHIBUYA PLEASURE PLEASUREで結成12周年記念ライブを開催、今秋にはニューシングルのリリースを予定しています。そんなRYUTistの友恵さんによる、本にまつわる連載がこの〈RYUTist宇野友恵の「好き」よファルセットで届け!〉です。今回は、いつものスタイルから一転、映画「ドキュメント サニーデイ・サービス」と書籍「青春狂走曲」をきっかけに、友恵さんは東京・下北沢への旅を敢行。その記録をお届けする特別編の前編です。 *Mikiki編集部
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7月末、新潟のシネ・ウインドで映画「ドキュメント サニーデイ・サービス」を観ました。
CDデビューから30年を迎えたロックバンド、サニーデイ・サービスさん。
結成から解散、8年後の再結成。ドラマー丸山晴茂さんとの別れ、そして新たにドラマー大工原幹雄さんが加入し、再スタートしたサニーデイ・サービスさんの濃く、これからも続いていくストーリー。
正直にいうと、ちょっと油断してました。好きな曲があるバンドのドキュメンタリーだから観てみたいなというくらいの気持ちだった。それが今はこんなにのめり込む存在になろうとは。
2時間半の映画で見たもの、感じたもの。ひとつもこぼさず帰りたいと頭の中をいっぱいにしながら、立体駐車場で安部さん(RYUTistスタッフ)がどこに停めたか忘れたという車を一緒に探しまわっていました。(ちゃんと見つかりました。)
私のサニーデイ・サービスさんとの出会いは〈サニーデイ・サービス TOUR 2016〉の新潟公演、GOLDEN PIGS RED STAGEでのライブに安部さんに連れられて観に行ったのが最初でした。後ろの方で観ていたので身長の低い私にはステージの上で何が起こっているのかわからない状態でしたが、バンドのライブという空間が新鮮で、チラチラ隙間から見える誰か(当時はメンバーの方の顔も名前も覚えていなかった)を目に焼き付けようと必死でした。
当時の最新アルバム『DANCE TO YOU』と会場限定で販売していたグッズを買って帰った記憶があります。
懐かしくて、久しぶりに引っ張り出してきました。
この方々のことは何も知らないけど、なんか好きだなと、何度も再生した『DANCE TO YOU』。
17歳の私がこの映画と出会わせてくれました。
映画を観た後、サニーデイ・サービスさんについてもっと深く知りたくなり、すぐに北書店でサニーデイ・サービスさんとデビュー当時から並走してきたというライター北沢夏音さんのインタビュー本「青春狂走曲」を取り寄せていただきました。
本の1行目の〈ネオ・アコースティック〉でつまずくくらい音楽知識のない私は、呼んでいる最中に飛び出し続けるカタカナを一個ずつ調べ、プレイリストを作ったりしながら読み進めました。
『DANCE TO YOU』リリースまでのサニーデイ・サービスさんの歩みはもちろん、映画に登場されていた方たちとの関係性も分かって、映画をもう一度観たくなりました。
私の住んでいる新潟では1度目のその日が最終日で、観る手段がなかったけれど、新潟を出ればまだ間に合う。ちょうど8月7日の夜に渋谷シネクイントで曽我部恵一さんのミニライブ付き上映があることを知りました。
年に一回の旅が恒例になってきていて、今年はどうしようと考えはじめていたところだったのでタイミングもいい。
今年の夏は東京へ1泊2日のサニーデイ・サービスの旅行に行くことに決めました!
前置きが長くなりました。
〈RYUTist宇野友恵の「好き」よファルセットで届け!〉、今回はこの旅の記録を2回に分けてお送りします。
※勝手にBGMも添えさせていただきます。