
未発表曲も披露、柔らかさと強さで魅せた表現力
初披露の曲もあった。驚いたことにオープナーからして未発表曲で、それは“80’s”というタイトルが付けられている通り、a-haを想起させる鍵盤の80’s的な音も印象的だった。6曲目と7曲目は新曲で、“罠”でコラボしたedbl(エドブラック)と夏にロンドンで作ったと話していた6曲目にはEPOをイメージさせるシティポップ感があった。



また、彼女が初めて作った曲である“鼓動”は2つのバージョンで歌われたのだが、本編中盤でのそれはレゲエ味のあるSurf & Turf versionで明るく歌われたのが新鮮だった。さらにロバータ・フラックの名曲でマリーナ・ショウら何人ものシンガーが歌ってきた“Feel Like Making Love”のカバーもあった。

XinUのボーカルは柔らかさを持ちながらも、時折強く前に出る。曲によって声の色合いが微妙な変化を見せる。“罠”のボーカルに色気が滲んだ。“やまない雨”の歌いだしの高い声は空にも届きそうな神聖な雰囲気を有していた。“とけてゆく”のボーカルにはそこにいるみんなを幸福な気持ちにさせる成分が含まれていた。

3年目のアクションはもう始まっている
アンコールでは少しだけロックテイストも加味されたバンドアレンジで“ココカラ”を歌い、そのあとにはこのようなMCを。「ゼロから始めて、2年で〈ここ〉まできました。〈ここ〉がどこだかわからなくなったりすることもあるけど、今日はこの時間を共有できて本当に嬉しかったです。2年目が終わって、3年目がスタートします。昔書いた歌詞にも励まされながら、これからも曲を作っていきたいと思います」。そして「この2年を振り返りながら、最初に作った曲をやります」と言い、最後に“鼓動”のオリジナルバージョンを。「オ~、オ~オ~」というコーラス部分では「みんなも歌って」と促してシンガロング。ステージの上と下とが完全に一体となり、この夜一番の清々しい笑顔を見せてXinUはステージを去ったのだった。
3年目のアクションはもう始まっている。ここからどんな曲が生まれて、彼女はどんなふうに可能性を広げていくのか。今から楽しみでしょうがない。
SETLIST
1. 80’s(未発表曲)
2. 揺らせ
3. まだまだ
4. 楽園
5. オモイオモワレ(ゲスト:YAMORI)
6. 新曲
7. 新曲
8. 鼓動(Surf & Turf version)
9. Feel Like Making Love(カバー)
10. 目眩
11. もうやだ
12. 罠
13. ただそれだけ
14. 合図 EYES 合図(ゲストダンサー:Shun & Dyson(GANMI))
15. やまない雨(ゲストダンサー:Shun & Dyson(GANMI))
16. いつのまにか(ゲスト:Toshiki Soejima)
17. とけてゆく
ENCORE
ココカラ
鼓動
RELEASE INFORMATION
リリース日:2023年8月9日(水)
配信リンク:https://virginmusic.lnk.to/XinU_Toketeyuku
TRACKLIST
1. とけてゆく
PROFILE: XinU
ミュージックコレクティブXinU(シンユウ) 。あなた(U)にクロス(X)するをキーワードに、いま東京で鳴っているサウンドと自然体でありながらも核心をついた日本語詞で〈今〉を切り取っていく。〈Neo Tokyo Cross Over Rock Jazz Damn!!〉と称しR&B、ジャズ、ヒップホップ、フォークロアを飲み込む新たなサウンドはボーダレスに音楽の未来を切り開いていく。2021年10月、“ココカラ”でデビュー。透明感がありながらもスモーキーなそのボイスに注目が集まっている。