MELLO MUSIC
実力派の揃った安心のヒップホップ・ブランド

 派手な展開はないものの、かつてのストーンズ・スロウに通じるセンスで実力派や燻し銀と呼ばれるタイプの顔ぶれが多く出入りしているヒップホップ・レーベルがメロー・ミュージック・グループだ。ここではショウケース盤『Omakase』など2023年の後半にまとまって出てきた注目作を簡単にさらっておこう。まずはスローターハウスで知られたジョエル・オーティスが、マーロウのロレンジと組んだタッグ作『Signature』が熱い出来映え。そのジョエルがアポロ・ブラウンと組んだ『Mona Lisa』(2018年作)の5周年盤にも注目したい。さらに、MMG常連組のアポロ・ブラウンが西海岸のプラネット・エイジアと組んだ第2弾『Sardines』も届いたばかりだ。そして、ブラウンも参加したパラダイムのMMGでの初作『Period.』も注目。デトロイトで活動してきた彼は90年代末からD12組やハウスシューズらと作品を残してきたラッパーで、今作にもデナウン・ポーター(D12)やギルティ・シンプソンが馳せ参じている。いずれも激シブながらかっこいい好盤たちなので、一聴を勧めておきたい。 *狛犬

左から、メロー・ミュージックのコンピ『Omakase』、ジョエル・オーティス&ロレンジのタッグ作『Signature』、アポロ・ブラウン&ジョエル・オーティスの2018年作の5周年記念盤『Mona Lisa (5th Anniversary Edition)』、アポロ・ブラウン&プラネット・エイジアのタッグ作『Sardines』(すべてMello Music)、パラダイムのニュー・アルバム『Period.』(Beats At Will/Mello Music)