ベーシストのマイケル・リーグ率いるスナーキー・パピーが、2024年3月18日(月)と19日(火)にビルボードライブ東京、3月21日(木)にビルボードライブ大阪、3月22日(金)にビルボードライブ横浜で来日公演を行う。

スナーキー・パピーは2004年にアメリカのノーステキサス大学の友人同士で結成され、現在に至るまで流動的なメンバー編成で柔軟な活動を展開している。20年間にわたり世界中でライブをおこなっているが、その人気からチケットはすぐさまソールドアウト。さらに15枚のオリジナルアルバムをリリースし、グラミー賞を5度受賞している。そんな彼らの結成20周年の節目に、4年ぶりの来日公演が開催されるのは喜ばしい限りだ。

これを機に国内外のスナーキー・パピーに関するインタビューを見返してみた。日本のジャーナリストはダラスの音楽シーンや文脈などのファクトをしっかり押さえ、海外メディアでは時々ファジーかつユニークな質問が飛ぶのが面白い。かく言う私自身は前者寄りである。もちろん優劣はないが、シンプルに興味深い対比であることは確かである。

例えば、クインシー・ジョーンズが設立に関わった音楽メディア、Qwest TVの企画〈12 Qwestions〉を見てみよう。このなかでマイケル・リーグは好きなサウンドについて〈潮が満ちる音〉、〈テニスでボールが上手く打たれる音〉と返答。

さらに〈夢のジャズバンド〉という質問に対して、オスカー・ピーターソン、エド・シグペン、レイ・ブラウン、ルイ・アームストロング、ハンク・モブレーの名を挙げている。意外性のあるポップな組み合わせだ。

同様の姿勢は、JAZZ.FM91のインタビュー記事にも表れている。マイケルがジャズスクールでマイルス・デイヴィスの演奏を〈フック〉という概念を用いて話したところ、〈ジャズにフックはない〉と言われたエピソードだ。フックとはJ-POPでいうところのサビと同等。もともと彼はポップスの感覚でジャズを捉えていたようである。

さらに観客についての考え方もユニーク。彼は「ジャズの枠で、何がクールかを知っていると思い込むのは簡単なことです。しかし実際は、大勢の人の前で演奏し始めた時にリスナーが教えてくれる」と話している。スナーキー・パピーは観客と作り上げるライブレコーディングで名盤を作り上げることも有名だが、それについての考えを窺い知れる言葉だろう。

こうしたマイケルの発言からわかることは、スナーキー・パピーは自分たちの音楽性を必ずしもジャズだと断定していない。むしろポップな側面を持っていることを自認しつつ、その時に何が起こるか、何を演奏すべきかというハプニングすらメンバー全員が期待しているのだ。

こうした発言は、今回のビルボードライブ公演の観客席がバンドの演奏に影響を及ぼすことを示唆している。つまり、これを読んでいるあなたが彼らのパフォーマンスを変化させる可能性を持っているということだ。

すでに東京と大阪公演は完売。残席は追加公演となる横浜公演のみ。ぜひこの機会に参加してほしい。彼らにとって2024年最初の海外ツアー、日本でハプニングを起こすにはオーディエンスの力が必要だ。10人目のメンバーとして、スナーキー・パピーがあなたを待っている。

 


LIVE INFORMATION
Snarky Puppy
スナーキー・パピー

2024年3月18日(月)、19日(火)ビルボードライブ東京 ※SOLD OUT
1stステージ
開場/開演:17:00/18:00
2ndステージ
開場/開演:20:00/21:00
http://www.billboard-live.com/pg/shop/show/index.php?mode=detail1&event=14607&shop=1

2024年3月21日(木)ビルボードライブ大阪 ※SOLD OUT
1stステージ
開場/開演:17:00/18:00
2ndステージ
開場/開演:20:00/21:00
http://www.billboard-live.com/pg/shop/show/index.php?mode=detail1&event=14608&shop=2

2024年3月22日(金)ビルボードライブ横浜
1stステージ
開場/開演:17:00/18:00
2ndステージ
開場/開演:20:00/21:00
http://www.billboard-live.com/pg/shop/show/index.php?mode=detail1&event=14716&shop=4

サービスエリア/カジュアルエリア:13,900円/13,900円(1ドリンク付)

※本公演はClub BBL会員、および一般販売をWEB受付のみ実施いたします
※法人会員は電話にてご予約承ります

■メンバー
マイケル・リーグ(ピアノ、ベース、バンドリーダー)
ジャスティン・スタントン(キーボード、トランペット)
ボビー・スパークス(キーボード)
クリス・マックイーン(ギター)
マイク“マズ”マーハー(トランペット)
ジェイ・ジェニングス(トランペット)
クリス・ブロック(サックス)
ネイト・ワース(パーカッション)
ジェイムソン・ロス(ドラム)