柳樂光隆が監修する〈Jazz The New Chapter〉シリーズの最新刊「Jazz The New Chapter 6」が本日2月17日に刊行された。

柳樂光隆 Jazz The New Chapter 6 シンコーミュージック(2020)

ノンストップで拡張を続けるジャズの変容と、その未来を入念な取材で検証するシンコーミュージックの人気ムック・シリーズ〈Jazz The New Chapter〉。その第6弾は〈特集:グラウンド・アップとスナーキー・パピー周辺〉を掲げ、グラウンド・アップ・ミュージック・フェスティヴァルへの潜入取材や、サンダーキャット、フライング・ロータス、クリスチャン・スコット、ジェイコブ・コリアーらのインタビューが掲載されている。

サンダーキャットは歌ものを突き詰め、フライング・ロータスは音楽理論を学んだ。クリスチャン・スコットは遥か昔に思いを馳せ、ジェイコブ・コリアーは存在しないハーモニーを鳴らそうとした。
僕らが〈ジャンルの垣根が無効になった〉なんて呑気な話をしている間に、ミュージシャンたちは音楽の常識をそれぞれのやり方でどんどん書き換えている。
ソランジュやブリタニー・ハワードは、そんなジャズ・ミュージシャンの力を借りる。まだ見たことのない新しい音楽がジャズの周りから生まれようとしている。

特集:グラウンド・アップとスナーキー・パピー周辺
グラウンド・アップ・ミュージック・フェス潜入取材

マイケル・リーグ/ジェイソン・“JT”・トーマス/ボブ・レイノルズ/キャリア検証:デヴィッド・クロスビー/ベッカ・スティーヴンス/ミッシェル・ウィリス

主なインタビュー掲載アーティスト
サンダーキャット/フライング・ロータス/クリスチャン・スコット
ブリタニー・ハワード/ミシェル・ンデゲオチェロ
シャソール/ジェイコブ・コリアー
ジェイムス・フランシーズ/ネイト・スミス
マーク・ジュリアナ/カルロス・ニーニョ
チャールズ・ロイド/マーカス・ストリックランド
ブラクストン・クック/ザ・コメット・イズ・カミング 他

21世紀に入ってから音楽はずっと進化を続けているのに、
いつまでも100年前の古い言語で語れるわけがないんだよ。
僕は新しい言語を使いたい
――クリスチャン・スコット

「Jazz The New Chapter 6」の購入はタワーレコード オンラインや各店、各書店で。目次の詳細は下記のとおり。

SPECIAL INTERVIEW
Thundercat
Flying Lotus
Christian Scott aTunde Adjuah
Brittany Howard
Meshell Ndegeocello
Chassol
Jacob Collier

COLUMN
『Flamagra』と『The Renaissance』
ロバート・グラスパー『Fuck Yo Feelings』の先進性
非西洋科学的テーマに注がれる視線
ジェイコブ・コリアーに至る合唱曲史(小室敬幸)

PART 1: A NEW GENERATION OF JAZZ
James Francies / Joel Ross / Jazzmeia Horn

PART 2: DISC SELECTION
New Standards 2018-2020(選盤・執筆:柳樂光隆)
COLUMN : サウンド・アメリカン / アンジェリーク・キジョー / Jazz The New Chapter Ternary

PART 3: VISION OF GROUND UP
グラウンド・アップ・フェス潜入ルポ
Michael League / Jason “JT” Thomas / Bob Reynolds
a musical journey: David Crosby(高橋健太郎)
Becca Stevens / Michelle Willis
Good Music Company

PART 4: DRUMMER-COMPOSERS
Kassa Overall
Nate Smith
Kendrick Scott
Mark Guiliana
COLUMN:〈音色〉の探求へと進むドラマーたち(高橋アフィ)
Louis Cole
Perrin Moss

PART 5: INSIDE AND ALONGSIDE THE L.A. JAZZ SCENE
COLUMN: コミュニティとシェアの文化が育んだLAシーンの背景(原 雅明)
Carlos Niño
Flying Lotus
Mark de Clive-Lowe

PART 6: BRING A NEW PERSPECTIVE ON SAXOPHONE
Charles Lloyd
Marcus Strickland
Braxton Cook
Donny McCaslin
Dayna Stephens

PART 7: CULTURAL ACTION IN U.K.
COLUMN: 文化的な運動として続くジャズの継承と発展
Courtney Pine
The Comet Is Coming

SPECIAL INTERVIEW
Marcus Miller
Marquis Hill
Stu Mindeman
Camila Meza

COLUMN
若手育成を支えるアメリカのジャズ教育システム
ヌエバ・カンシオンとトロピカリア
チャーチ出身のミュージシャンはなぜ強靭なのか(唐木 元)
ドン・シャーリーから考えるジャズ・ピアノ史
セファルディムとアシュケナジム
ノンサッチ×ニューアムステルダム
なぜ今、アンソニー・ブラクストンなのか(細田成嗣)