インタビュー

スナーキー・パピーのマイケル・リーグ(Michael League)が多国籍の知られざる音楽家たちを紹介! コンピ『GROUNDUP MUSIC × CORE PORT』を語る

スナーキー・パピーのリーダーが運営するレーベルのコンピレーションが登場!

 過去4度グラミー賞を受賞したスナーキー・パピーの中心人物が、コンポーザ―でベーシストのマイケル・リーグ。彼はまたGroundUP Musicというレーベルを運営しており、この度、同レーベルの現状を一望できるコンピレーション『GROUNDUP MUSIC × CORE PORT』が発売された。タイトル通り、コアポートという日本の良心的レーベルからのリリースとなる。

VARIOUS ARTISTS 『GROUNDUP MUSIC × CORE PORT』 コアポート(2021)

 同作は、ジャム・バンドと比較されることもあるパピーとは打って変わって、メロウなうたものをメインに据えた作風だ。例えば、劈頭を飾るベッカ・スティーヴンス&ザ・シークレット・トリオは豪奢なストリングスをあしらったポップ・チューン。また、70年代のジョニ・ミッチェルを想起させる、カナダのミシェル・ウィリスというシンガー・ソングライターも艶のある美声を聴かせる。

 そしてもうひとつ。80年代のピーター・ガブリエルやデイヴィッド・バーンがそうだったように、リーグはロックやジャズと、非西欧圏の音楽を同一線上に捉えられるセンスの持ち主だ。「レーベルでは、地理的にも、性別でも、民族的にも、ジャンル的にも、多様性を広げていきたいと常に考えている」と自身も答える。

 先述のザ・シークレット・トリオは、アルメニア、マケドニア、トルコを出自に持つ3人が制作に参加。あるいは、ロシア出身のジャズ・ヴォーカリスト、タイ生まれでスウェーデン出身のミュージシャン、ギリシャ人が中心となる多国籍バンドなどの曲を収録している。未発掘だがイキのいい才能をフックアップするのが、リーグの理念なのは間違いないだろう。「まだ才能を認められていないアーティストたちをスナーキー・パピーのファンに紹介しようと考えたのがレーベルを始めたきっかけです」とリーグも述懐する。

 また、昨今彼本人がソロ作などでヴォーカルを取ることも増え、よりポップでキャッチーな楽曲を残している。10年以上に渡って他のミュージシャンのバックコーラスを務めてきた彼だが、レーベル・メイトでもあるデヴィッド・クロスビーの助言により、リード・ヴォーカルを取ることに。表現のレンジを急速に広げつつある。

 現在12ものプロジェクトを掛けもちしているというリーグだが、その創作意欲は汲めども尽きず、加速度的に拡張と拡大を続けている。それと同期・共振するように、GroundUP Musicの音楽性もますます幅を広げそうだ。

 「僕たちのレーベルは、リスナーに対して狭い道を決めることなく、音楽ファンが自由にアクセスできる選択肢を少しでも広げていきたいと思っています」

 


RELEASE INFORMATION

VARIOUS ARTISTS 『GROUNDUP MUSIC × CORE PORT』 コアポート(2021)

リリース日:2021年11月17日
品番:RPOZ-10073
価格:2,640円(税込)
選曲・解説:柳樂光隆(Jazz The New Chapter)

1. Becca Stevens & The Secret Trio “Flow In My Tears” (Nahapet Kuchak / Becca Stevens, Michael League) from Becca Stevens & The Secret Trio P & C 2021
2. Snarky Puppy feat. Laura Mvula & Michelle Willis “Sing To The Moon” (Laura Mvula, Steve Brown) from Family Dinner, Vol. 2 P & C 2016
3. Michelle Willis “Home” (Michelle Willis) from See Us Through P & C 2016
4. Alina Engibaryan “We Are” (Alina Engibaryan, Michael Maher) from We Are P & C 2018
5. Mike “Maz” Maher feat. Shaun Martin “The Rain In June” (Michael Maher) from Idealist P & C 2016
6. Breastfist “C’mon, Money” (William Campbell) from Amuse Deuce P & C 2017
7. Cory Henry “NaaNaaNaa (Live)” (Cory Henry) from The Revival P & C 2016
8. Snarky Puppy feat. Lalah Hathaway “Something” (Brenda Russell, David Foster) from Family Dinner, Vol. 1 P & C 2013
9. Malika Tirolien “Dreamin’”(Malika Tirolien, Frederic Varre) from HIGHER P & C 2021
10. Sirintip “Ashes Of Gold” (Joakim Hultqvist, Michael League, Sirintip Phasuk) from Tribus P & C 2018
11. Michael League “I Wonder Who You Know” (Michael League) from So Many Me P & C 2021
12. House Of Waters feat. Priya Darshini “Hamza” (Priya Darshini) from House Of Waters P & C 2016
13. Becca Stevens feat. Jacob Collier “Both Still Here” (Becca Stevens) from Regina P & C 2017
14. Banda Magda “Muchacha (Ojos De Papel)” (Luis Alberto Spinetta, Magda Giannikou) from Tigre P & C 2017
15. Read/McQueen “Flow” (Christopher McQueen, Matthew Read) from Read/McQueen P & C 2021

※日本初CD化曲:M-3, 4, 5, 6, 10, 12, 15

Selected by Mitsutaka Nagira (Jazz The New Chapter)
Compilation remastered by Yoshiro Kuzumaki (CM Punch)
Designed by Hisako Katsuragi (MURE COMMUNICATIONS)
Front cover photographed by Hana Yamamoto
Compilation produced by Yohji Takagi (CORE PORT)