ライヴ作品やニーナ・シモン曲のカヴァー集を挿んで3年半ぶりに放つオリジナル・アルバム。骨太かつ芳醇な歌声はさらに深みを湛え、盟友レックス・ライダウトやキャンパーらの制作でステッパーズ調を含むマイルドなR&Bを堂々と歌う安定感はキャリア25年の重みを感じさせる。ブッチャー・ブラウン、コリー・ヘンリー、エリック・クラズノといったジャズ~ファンク系の才人たちがサポートした曲も上々。ケニー・ラティモアを相手役にフィリス・ハイマンばりの妖しさで迫る“Perfect Stranger”、デニース・ウィリアムス~EW&Fを連想させる“Hello Love”に滲むソウル・マナーも芳しい快作だ。