いくらメジャー・デビューしたからって、個性や歩調や喋り方が簡単に変わるわけがない。そこにあるのはれっきとしたグソクムズの世界。オリジナル・ラブへの憧憬が透けてみえる“ユメのはじまり”など彼ららしいヤングソウルが随所で炸裂しているが、織田哲郎の顔がふと横切る甘くて切ない“ガーリーボーイ”でのパワフルな推進力を持つグルーヴにハッとさせられるなど端々から気合の高さは見て取れるし、サウンドはいつもより上天気。ともあれ、どんだけ名曲が作れるかってことにとことん知恵を絞り合う4人の基本姿勢がよりクリアに浮かぶ挨拶状になったのが素敵じゃないか。